他人との愛は簡単に手に入るものではない。私、司伝は負け惜しみのようにそう言い捨てる。
愛を手に入れられる人間は、よほど恵まれた人間である。しかし、それを自覚せず、そんなものは当たり前だとばかりに、愛を簡単に手に入れてしまう。
愛とは相互的なものである。一方通行の愛はストーカー。世間の人間は、例え片方の愛が歪んでいようが、相互的な関係を確立させている。私にはそれが不思議で仕方ないのである。

今回は歪んだ愛情に興奮する短編集をご紹介します。
日陰の花/ヤマダユウヤについて。
日陰の花/ヤマダユウヤとは

タイトル | 日陰の花 |
著者 | ヤマダユウヤ |
初版発行 | 2020年 |
掲載誌・レーベル | BAVEL COMICS |
出版社 | 文苑堂 |
ページ数 | 202頁 |
形式 | オムニバス+中編 |
漫画家・ヤマダユウヤ
【R-18】
— ヤマダユウヤ@11/30最新単行本発売 (@yamakawayamada) November 19, 2020
11/30に三冊目の単行本『日陰の花』が発売になります!
メロンブックス様、とらのあな様で購入特典もありますのでよろしくお願いします! pic.twitter.com/PT8VSlWhB7
ヤマダユウヤ氏はコミックバベルなどで漫画を掲載しているエロ漫画家だ。本作で3冊目の単行本となる。
画力は高く、画面が非常に見やすい。線の強弱の付け方が上手で、それが繊細な少女の肌を表現しているように感じる。
作風としては、かなりしっとりとした雰囲気の物語を描く先生である。それは、作品のヒロインの心情が感じられるほど、表情と行間がしっかり描かれていることが理由だろうか。
作品・日陰の花
甘くてちょっと切なくて…一筋縄ではいかないからこそ男女の関係は燃え上がる。そして、真っ直ぐすぎる恋情は倒錯した性へと変わっていく…! 愛を知りたい乙女のちょっぴり歪な性体験『日陰の花』、素直になれないカップルの初エッチを描いた『ユキトキ』、欲求不満な年下彼女の色仕掛け『つむぎあい』など、エモーショナルな性愛とリアルな恋模様を巧みに表現した8作品を収録!! どこまでもピュアで…だけど不純で赤裸々な青春の一ページをあなたにお届けします♪
日陰の花【電子限定版】 [文苑堂] | DLsite 成年コミック – R18
日陰の花は前後編の中編が2篇と短編4編に描き下ろしのおまけが1篇の合計9篇で構成されているアダルトコミックである。
一連のテーマは「どこか少し「陰」のある女の子達の性体験」である。両想いの関係であっても、それにどこか引っかかりがあるような男女の関係が描かれている。
【詳細】日陰の花

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それでは、『日陰の花』をより詳しくご紹介しよう。
【収録作品】
- つむぎあい
- ユキトキ
- ユキトキ2
- 日陰の花-前編-
- 日陰の花-後編-
- 凛として
- 白日
- 嗜欲のすすめ
- 凛として~After~
シナリオ

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シナリオは、そのほとんどが変わったいちゃラブ物となっている。ヒロイン側の性癖に一癖あるという短編が3編ほどある。
前後編のものでは、「ユキトキ」が付き合っている二人のセックスを2篇に渡り描いており、「日陰の花」はSNSで出会ったJKとの少し切ない関係が描かれている。
その関係性こそ様々だが、ヒロインに陰があるのは全ての短編で垣間見られるだろう。
プレイ内容

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プレイ内容としては短編によって様々だ。目隠し拘束で誘惑してくるヒロインも居れば、ひたすら愛し合うだけのヒロインも居る。

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セックスはゴム有、生中だしとどちらもあり、正常位や騎乗位、後背位が多いか。それだけ挙げるとシンプルに感じられるが、ヒロインの描き方の上手さにより、妙に臨場感の溢れるものとなっている。
変わったところでは、男側が女装をするセックスがある。ショタ以外ではあまり見ない設定だが、正直需要についてはわからない。
ヒロイン

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ヒロインは先述したように、「陰」のあるJK少女がほとんどである。隣人の人妻や会社の同僚も居るが、どれも不思議な雰囲気を持っているのが魅力的だった。
ロリとは違うが、JK少女たちにはみんな年相応な幼さが感じられる。それが妙に生々しく感じられ、その独特な雰囲気に繋がっているのだろう。
オススメの一話
オススメの一話は「日陰の花」である。
28歳の楓はSNSで少女に声を掛けられた。少女、香菜はSNSでエロ自撮りを披露しているヤバい女の子だったが、楓は会ってみることにした。期待通りの展開となり、カナに誘われるまま、二人はセックスをしたのだが……
香菜は正しく「陰」のある少女である。そこにある闇が曖昧なまま、二人は体を重ね、そして離れていく物語である。
身勝手に愛を求め、求められたいと思う香菜。それを自己解決する結末は少し切ない気持ちになるものだった。
オススメのヒロイン
オススメのヒロインには「ユキトキ」のゆうきをあげておこう。それは単にかわいいからである。彼女はある種のオアシスなのだ。
ストーリーとしては単純に付き合っている大樹とセックスをするだけの話だ。2篇ともセックスをするだけである。
ゆうきの大樹への愛情が強く、本当はセックスしたいのになかなかできないことに不満を持っている。すると、いざ初体験が終われば何度も大樹に体を求める。彼女の「陰」はその愛情だと思うのだが、大樹も大樹で彼女を愛しているため、それを陰のように感じさせない。
結果的に、ただひたすら可愛いゆうきのセックスを見せつけられてしまう物語だった。
まとめ~日陰の花~
司伝評価
絵柄 | |
物語 | |
キャラクター | |
抜き | |
生々しさ |
- JKのJK感を大事にしている
- しっとりしたいちゃラブ物が好き
- 精神的に興奮させて来る話が好き
日陰の花は以上の方々にオススメである。ヤマダユウヤ氏はあまり過激な表現をしないのだが、その生々しい肉体の描き方と、心理的に興奮させる術を持っているため、画面の表現以上の興奮をこちらに与えてくれる。
おっぱいのサイズ感すらその雰囲気づくりに貢献している。ぜひそれを感じていただきたい。
本作については以上である。それでは、またの機会に。

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