司伝の過去作レビュー

『思春期まるだしっ!』は2017年に発売された、ぐりえるも氏作の商業アダルトコミックである。
ぐりえるも氏は貞操観念がおかしくなった世界観の作品を得意としており、処女作である『思春期まるだしっ!』でもそれが存分に発揮されている。好みさえあえば、かなり楽しめる作品となっている。
本項では『思春期まるだしっ!』の魅力と、それについての私の評価をまとめていきたい。
【収録作品】
- 後夜祭でイこう!
- こんな村いやだっ!
- ようこそパイセン~AV女優の課外授業~
- ガマンできないッ!
- ハッピーバースデートゥーユー!
- 今日イク!? 実習生
- 没収します!
- バツを覚悟の真剣恋愛!
- もっと見ていて
- 思春期まるだしっ! ~前夜~
『思春期まるだしっ!』の魅力

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『思春期まるだしっ!』は描き下ろしも含めて全10篇で構成されているオムニバス短編集だ。
内容の多くは、世界観の設定がかなりくるっている。しかし、セックス自体は和姦いちゃラブものばかりであり、その設定も含めて、コメディーチックな作りのものが多くなっている。
そのおかしな設定を簡単に記載していこう。文化祭の後夜祭で結ばれた二人が全校生徒の前でセックスするのが伝統の高校。神様に扮した男と多くの人が見ている前でセックスをする儀式のある村。AV女優による課外授業。etc.

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他の短編も含めて、その多くは羞恥プレイである。そこがぐりえるも氏の望むシーンなのだろうか。ヒロインが変態である設定も含めて、誰かに見られながらセックスをするという展開が非常に多いのだ。
お気に入りは、先述したAV女優の課外授業、『ようこそパイセン~AV女優の課外授業~』である。様々な分野で活躍する卒業生による課外授業として呼ばれた、宇田川カレンはAV女優だった。

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カレンが示した授業のテーマは「ホントの自分を知ろう」。みんなに全裸になるよう指示する可憐だが、当然女子たちがそれを拒否する。しかし、一番強く反対した真希が強引に脱がされると、クラスの前で処女膜まで見せられてしまう。経験豊富だと嘘をついていた真希がその嘘を暴かれた結果、カレンは今日だけは嘘をつかずにすべてをさらけ出させようと、みんなを全裸にさせ、ペアを作ってセックスをするように指示する。
最初こそ嫌がっていた女子たちだったが、誰かとペアを作らなければならないとなると積極的になり、次々とペアができてセックスしていく。この羞恥心を保ちながらも貞操観念が崩壊していく様子は圧巻である。
ヒロインが多く、みんなかわいい。それぞれ個性的なのだが、その描写が駆け足なのだけが残念である。中編で数話使ってじっくり描き切って欲しかった至高の設定だった。掘り下げるともっと面白くエロいのは間違いないだろう。
特殊な設定、変態なヒロイン、羞恥心。この辺りの言葉にピンと来るのなら、ぜひ読んでいただきたい一冊だった。
【まとめ】思春期まるだしっ!
司伝評価
絵柄 | |
物語 | |
キャラクター | |
抜き | |
設定 |
- 羞恥系エロが好き
- 貞操観念のおかしな世界観が好き
- 変態ヒロインが好き
『思春期まるだしっ!』は以上のような方々にオススメしたい。コメディーチックな作りながら、合う人は非常に合う作品だろうと思う。特に、セックスを人に見られる展開が好きなら絶対に合うはずだ。
面白い設定ほど掘り下げてほしい気持ちもあるため、ぜひ前後の物語も描いていただきたいものだ。
本作については以上である。それでは、またの機会に。

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