司伝の過去作レビュー
『少女熱』は2015年に発売された、雨と棘(あめととげ)作の商業アダルトコミックである。
雨と棘はCOMIC LOなどに漫画を掲載していたエロ漫画家ユニットだ。以前は「雨がっぱ少女群(あまがっぱしょうじょぐん)」という名義で活動していたが、原作者を伴ってユニットになったらしく、本冊内でも雨がっぱ少女群単独で発表している作品がある。独特な世界観と卓越した描写は”天才”と称されるほどだが、安定して作品を発表できるタイプではなく、現在の活動は不明である。本冊は2022年現在、この名義で唯一の単行本となっている。
本項では『少女熱』の魅力と、それについての私の評価をまとめていきたい。
【収録作品】
雨と棘作
- 授業参観
- 放課後少女
- 神性儀式
雨がっぱ少女群作
- 博士の異常な欲情
- 気狂い狩り
- AWAKE II
- 夢を廻る円環
『少女熱』の魅力

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『少女熱』は全7篇で構成されているオムニバス短編集だ。雨と棘名義のものは4作品、雨がっぱ少女群名義のものも4作品で、そのうち2作品が別の原作者がついたものとなっている。
ヒロインはJSかJC。おっぱいはちっぱい貧乳で、正統派のロリっ娘である。体の描き方はリアル系で、本格派ロリボディが魅力的。ルックスも一見して可愛いと思える美少女。そして何より繊細で品のある作画。ヒロインの美しさについてケチはつかない。
原作者が統一されていないこともあり、作品の内容はバラバラ。不条理だったりハードだったり、様々な作品が収録されている。こう言ってはなんだが、純粋に使える作品は少ないのではないだろうか。親子の近親相姦にしても、教師と生徒にしても、独特な空気感が漂っている。部分的に見ると芸術作品のように思えるところもあり、良くも悪くもただのエロ漫画とは思えない仕上がりになっている。
かなり個性的な作品群だが……。「放課後少女」は教師が不思議な生徒とセックスをするお話。雨氏作画の女体美が堪能できる1篇で、お気に入り2位である。「神性儀式」は少女が儀式により犯されるお話。理解の届かない不気味な1篇だ。「博士の異常な欲情」は”全て現実になる”インカムを手に小●校に乗り込み、JSハーレムを築くお話。こちらは独特な陰影表現を用いている謎の1篇。「気狂い狩り」はもはや説明困難な不条理な1篇で、読む価値ありだが抜けるわけがない。「AWAKE II」は兄妹近親相姦の1篇。この作品群では浮くほどに普通の作品。「夢を廻る円環」は退廃的で不条理な世界を舞台にした作品。夢の世界だけあってこちらも説明困難である。こんな個性的な作品群から、今回は「授業参観」をピックアップ。

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授業参観の日。教師に指名され、白鳥あすかは作文を読み始める。「私のお父さん」と題した作文には、明らかに父親との性行為が描写されている。教師が慌ててあすかを止め、彼女の保護者が来ているかと問う。すると、あすかの父が名乗り出た。雑誌かネットのいやらしい記事をそのまま書いたのだろう、と推測し、それを父に伝える教師だったが、彼はあすかに今すぐそこで服を脱ぐように指示する。教師や他の保護者が縛り付けられる中、あすかは全裸になり、父のペニスを咥え……。
どうやって全員を縛り付けたのか、というツッコミは置いておこう。あすかとしては父との性行為は当たり前のことであり、何ら抵抗なく、むしろ楽しそうに、みんなが見ている中でセックスをする。あまりに狂った状況の中で、父が教室で訴える内容もまた狂っている。これが娘との愛ある生き方なのだ、と。インパクトの強すぎる1篇だった。

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個性的な作品ぞろい。抜けるかはともかく、読む価値はある。
【まとめ】少女熱
司伝評価
絵柄 | |
物語 | |
キャラクター | |
抜き | |
不条理 |
- 不条理な作品が好み
- 個性的な作画に惹かれる
- ちっぱい貧乳の正統派ロリっ娘が好き
『少女熱』は以上のような方々にオススメしたい。超個性的な作者による超個性的な作品。作画だけでも読む価値はあるが、何せ変わった作品だけに、実用性についてはかなり人を選ぶだろう。
作画は背景も含めて力が入っているのだが、やはり注目したいのは女体美。リアリティがあるのに、漫画的な顔とバランスが取れているのが見事である。
本作については以上である。それでは、またの機会に。
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