夢見るお嬢様と僕らの愛情(幾夜大黒堂)男になったら…

ゆ行

司伝の過去作レビュー

『夢見るお嬢様と僕らの愛情』は2010年に発売された、幾夜大黒堂(いくやだいこくどう)氏作の商業アダルトコミックである。

幾夜大黒堂氏はCOMICペンギンクラブなどに漫画を掲載していたエロ漫画家の先生だ。15年以上エロ漫画を中心に活動しているベテランであり、幅広く作品を創っている。その中でも特に女装、性転換など性的倒錯をテーマにした作品が多く、本作においてもその傾向が見られる。

本項では『夢見るお嬢様と僕らの愛情』の魅力と、それについての私の評価をまとめていきたい。

【収録作品】

  • お嬢様とカラオケルーム
  • お嬢様と交換日記
  • お嬢様と貞操帯 前後編
  • お嬢様と花婿修行 前後編
  • お嬢様と少女漫画
  • お嬢様と初めてのお見舞い
  • Change!
  • たんけん欲のまち~なほたん~
  • 女装と女装と満夜の野望

『夢見るお嬢様と僕らの愛情』の魅力

引用:https://www.dlsite.com/books/work/=/product_id/
BJ021599.html

『夢見るお嬢様と僕らの愛情』は全11篇で構成されているオムニバス短編集だ。「お嬢様と~」はシリーズだが別作品である。「お嬢様と貞操帯」「お嬢様と花婿修行」はそれぞれ前後編、「お嬢様とカラオケルーム」と「お嬢様と少女漫画」は同じヒロインの作品である。

ヒロインはJK以上。おっぱいはほとんど巨乳ながらも貧乳もいるし、巨乳もそれほど極端には描かれていない。個性的な絵柄であり、ビジュアルは人を選ぶかもしれないが、漫画的にデフォルメされつつコロコロと変わる表情に不思議な愛らしさが感じられる

今回は単行本のタイトル通り、お嬢様がヒロインの作品が揃っている。ただ、正直なところ「お嬢様である」ということが性的興奮に繋がるとは思えず、統一感こそあるものの、そこが売りになるのかはいまいち謎である。とはいえ、ヒロインのキャラクターは立っているので、各話のお嬢様はそれぞれ魅力的なものを持っているとも思う。

プレイはどれも個性的。貞操帯着用のためアナルセックス女装した竿役とペニパンヒロインで女性を攻める3P、女装竿役のアナル開発など、根本的にはいちゃラブ和姦ながら、どれも独特である。

引用:https://www.dlsite.com/books/work/=/product_id/
BJ021599.html

お気に入りにはそんなお嬢様シリーズではなく、「Change!」のほうをピックアップ。幾夜大黒堂氏らしいTS作品である。

鷹野清美は女同士の会合で陰口ばかりなことにうんざりし、特に大島直子には呆れており、陰湿な女性ではなく男に生まれたかったと思っていたところ、ある日、目覚めると本当に男になっていた。異常事態を意外と素直に受け入れた清美は、男の生活を楽しむべく外へと出る。そんな時、ばったり直子と出会った。うっかり直子の名を呼んでしまった清美は、清美の知り合いであるということにして直子とバーへと入る。直子は男を清美とは思わず、平気で清美の陰口をたたく。散々自分の悪口を聞いた清美は、直子を懲らしめようとし……。

まずよくまとまった短編であり、女性の負の部分をテーマにしながら、非常に読み味が良い印象を受けた。直子をレイプ同然に襲う清美だが、直子が処女だったことに我に返ると、今度は正しくお互いを求めあう。そこにあった情の部分に人間臭さも感じた。

引用:https://www.dlsite.com/books/work/=/product_id/
BJ021599.html

使えるかどうかは好みが大きく分かれそうだが、漫画的な上手さは楽しめる作品集である。

【まとめ】夢見るお嬢様と僕らの愛情

司伝評価

絵柄3.5
物語4.0
キャラクター4.5
抜き2.5
いちゃラブ5.0
  • 変態チックないちゃラブものが読みたい
  • TS、女装が好き
  • 玩具を使ったプレイが好き

『夢見るお嬢様と僕らの愛情』は以上のような方々にオススメしたい。お嬢様がどうこうというよりは、玩具を使ったエッチや、TS・女装など性的倒錯作品が好きな人に向く作品集と言えるだろう。

10年以上前の作品なので古さこそ感じるものの、漫画の上手さはしっかり感じ取れる作品集でもある。

本作については以上である。それでは、またの機会に。

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