ユアソング/藤丸レビュー-どうか穏やかな終わりを

ゆ行

終末、何しますか? と訊かれると、私、司伝はいつも通りに過ごしているか、あるいはとんでもなく非道徳的なことをしていると思う。もちろん、エロ系である。

思えば、終わりに向かっているのに、最も”生”に関わる行為をするわけだから、おもしろいものである。本能的なものなのだろうか。

今回ご紹介する単行本では終わりに向かう世界が描かれている。終わりが見えると、案外こんな感じなのかなと思わされるお話になっているので、ぜひその空気を感じていただきたい。

司伝
司伝

今回はほのぼの終末エロ漫画をご紹介します。

本項目では、『ユアソング』の作者藤丸氏について、また、『ユアソング』シナリオやプレイ内容ヒロインの雑感、オススメのヒロインと一話について、最後には司伝の評価も記載しておく。最後まで見ていただければ幸いだ。

ユアソング/藤丸

タイトルユアソング
著者藤丸
初版発行2020年
掲載誌・レーベルワニマガジンコミックススペシャル
出版社ワニマガジン社
ページ数217頁
形式オムニバス

漫画家・藤丸

藤丸氏はCOMIC快楽天などに漫画を掲載しているエロ漫画家の先生である。

画力は高く、ヒロインの可愛らしさと肉体の生々しさのバランスが素晴らしい。素朴なラブコメ作品もあれば、奇抜な設定もあり。本冊については、終わりに向かい世界という共通のテーマがあり、儚げな情景描写が光っている。

作品・ユアソング

『ラブミーテンダー』で大好評だった「8月の灯」(1話無料公開中!!)を物語の中心に据えて、紡ぎ出された珠玉のストーリーを200 頁を超える大ボリュームでお届けします。
水に沈みゆく世界での男女の営みをオムニバス形式で収録。

ユアソング【1話無料サンプル付き】 [ワニマガジン社] | DLsite 成年コミック – R18

ユアソングは、全11篇で構成されているオムニバス短編集だ。

短編集だが、世界観は共有している。引用したとおり、前作「ラブミーテンダー」「8月の灯」の世界から派生した物語が多く、ヒロインの生前のお話も収録されている。

明るく楽しい雰囲気ながら、その背景には切ないものがある。ヒロインは可愛いし、体は最高にエロい。それでいて深みも備わっているという、非常に上質な単行本となっている。

【詳細】ユアソング

引用:https://www.dlsite.com/books/work/=/product_id/
BJ226767.html

それでは、『ユアソング』をより詳しくご紹介しよう。

【収録作品】

  • 夏待ちの日
  • 青年期の憂
  • 幸福期の隣人
  • 思秋期の薬
  • 晴れ日の花束
  • めぐみの果実
  • はるの牛飼い
  • 供花の庭
  • 金糸雀の坂道
  • 終わりの電気羊
  • 8月の灯(了)

シナリオ

引用:https://www.dlsite.com/books/work/=/product_id/
BJ226767.html

シナリオとして共通しているのは、先述したとおり、世界が滅びに向かっていることである。ただ、惑星間移住の話もあるため、あくまで地球が終わりかけという状況に過ぎないのかもしれない。

そんな世界の中で、明るく、強く生きている姿が描かれている。それはあまりにも素朴で、その分切なくも感じられる。

プレイ内容

引用:https://www.dlsite.com/books/work/=/product_id/
BJ226767.html

プレイはほとんどがいちゃラブ系と言っていいが、その関係性は様々だ。明確に恋人同士のものは意外と少ないかもしれない。

体位は正常位、後背位、対面座位など。複数プレイは2篇くらいで、他は全て一対一のセックス。フェラチオ、パイズリもそこそこあり。

エロ描写は上手なほうで、個人的には「供花の庭」勃起しきっていないペニスをペロペロと舐めるシーンに妙に興奮させられた。ただ、全体的にはダイジェスト的なエロシーンも多いため、その辺りは好みが分かれるかもしれない。

ヒロイン

ヒロインJK以上。大方巨乳で、垂れるまではいかないのだが、重力感があって非常に生々しい仕上がりになっている。

こんな世界だからか、エッチに積極的なヒロインが多め。生存本能だろうか。

オススメの一話

引用:https://www.dlsite.com/books/work/=/product_id/
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オススメの一話には「夏待ちの日」をあげよう。「8月の灯」の前日譚となっている。

ひろは両親の帰りが遅く、恋人の紗和の家にお世話になっている。食事の後、紗和と二人でひろの家に向かうと、そこでセックスをする。親公認での交際であり、当たり前のように一緒にいる二人。それはあまりにも幸せで……。

本当にただいちぃちゃとセックスをするだけの話なのだが、この時の会話が後の「8月の灯」に繋がっていると思うととても切なくなる。でも、この話では「ただの幸福」を味わっていただきたいと思う。

オススメのヒロイン

引用:https://www.dlsite.com/books/work/=/product_id/
BJ226767.html

オススメのヒロイン「青年期の憂」花代子をあげたい。

沈みゆく海沿いの町。太一は卒業後に内地に行く話を幼なじみの花代子にするのだが、花代子は町に残ると言って聞かない。不思議に思う太一だったが、ある日、花代子が漁協のオッチャン達の下の世話をしているところを目撃し……。

精神的に幼そうに見える子が実はエロいというのは大きな興奮要素である。花代子の場合は事情があるのだが、それでも田舎娘という感じがして良い。ちなみに、見つかってからは二人のいちゃラブエッチとなり、複数プレイという展開にならない。

引用:https://www.dlsite.com/books/work/=/product_id/
BJ226767.html

まとめ~ユアソング~

司伝評価

絵柄4.5
物語5.0
キャラクター4.5
抜き4.5
切なさ5.0
  • 切ないお話が好き
  • いちゃラブなラブコメが好き
  • おっぱい星人である

『ユアソング』は以上のような方々にオススメしたい。表面上の明るさと奥にある切なさ。ヒロインの可愛さとエロさ。このギャップが心を揺さぶる、良作だった。

生死に関する切ない話を見ると、人生とはなんだと考えてしまう。何とか清々しい終わり方を迎えたいものである。

本作については以上である。それでは、またの機会に。

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