綺麗事のように聞こえるかもしれないが、結局、最も興奮する女性とは、一番好きな女性である。性癖が好意を越えることは滅多になく、越えるようなら、その好意が歪んでいる。
厄介なのは、家族になると好意が愛となり、興奮とはかけ離れた存在になる。もちろん、愛でも興奮するのだが、目新しさという名の好意に負けてしまい、浮気に繋がってしまう。
好きという気持ちを永遠のものにしたならば、多くの不倫は無くなることだろう。そうできないのは人間の欠陥だろうか。あるいは、永遠のものにしないほうが、人は生きやすいのだろうか。私、司伝は後者だと思っている。

今回は精神的なエロスを追求するような作品集をご紹介します。
本項目では、『スキノウラガワ』の作者名仁川るい氏について、また、『スキノウラガワ』のシナリオやプレイ内容、ヒロインの雑感、オススメのヒロインと一話について、最後には司伝の評価も記載しておく。最後まで見ていただければ幸いだ。
スキノウラガワ/名仁川るい とは

タイトル | スキノウラガワ |
著者 | 名仁川るい |
初版発行 | 2019年 |
掲載誌・レーベル | BAVEL COMICS |
出版社 | 文苑堂 |
ページ数 | 197頁 |
形式 | オムニバス |
漫画家・名仁川るい(なにがわるい)
名仁川るい先生2nd単行本『スキノウラガワ』本日発売ですッ‼️ FANZA様先行で同時配信しておりますので、紙派も電子派もよろしくお願いします✨✨
— コミックバベル×ダスコミ (@comic_bavel) November 29, 2019
単行本情報→https://t.co/QxBvOEySfV
電子(FANZA)→https://t.co/O7ZxAuDeSK pic.twitter.com/aqHkIKI2Bt
名仁川るい氏はコミックバベルなどに漫画を掲載しているエロ漫画家の先生である。
本冊の表紙の印象よりも画力は高い。ヒロインはスタンダードな巨乳美女だが、竿役との関係性、あるいはモノローグにより、キャラクターが深まっている。そのため、ただのセックスシーンでも興奮度が高く、精神的なエロスが追求されている。
作品・スキノウラガワ
好きで、スキで、スキデ…。思春期の少女達の想いは儚いほど真っ直ぐで、歪なほど狂おしい。一度読んだら忘れられない『純愛』を描き続ける新鋭作家・名仁川るいが放つ、待望の2ndコミックス!儚いほど美しい奇怪な恋−−、一途な真実の愛が何か、あなたは分かりますか?
スキノウラガワ【DLsite限定版】 [文苑堂] | DLsite 成年コミック – R18
『スキノウラガワ』は全9篇で構成されているオムニバス短編集だ。内「トクベツアツカイ。」は中編だが、群像劇構成なので、登場人物が重なるだけの独立した短編と思っていたほうがいいだろう。逆に「Afterglow」と「Morning Rose」は違う作品に見えるが、ヒロインと竿役が同じである。
1対1のセックスを描くだけなのだが、その関係性は様々で、その微妙な距離感が魅力とも言える。単純に恋愛とも言い表せない、男女の複雑な恋と体の関係が、読者に没入感と興奮を与えてくれるのだ。
【詳細】スキノウラガワ

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それでは、『スキノウラガワ』をより詳しくご紹介しよう。
【収録作品】
- トクベツアツカイ。
- トクベツアツカイ。2-正論-
- トクベツアツカイ。3-正義-
- 被写体レンタル
- Afterglow
- 新野さんはあやかりたい
- さいれんとPlay List
- 卯月サマはお説教が長い。
- Morning Rose
シナリオ
シナリオは現代劇で、何気ない日常が舞台となっている。その中での微妙な心の動きが物語を彩っている。
恋と愛、そして性欲がバランスよくセックスへとつながっており、精神的な興奮度を高めている。
プレイ内容
関係こそ様々だが、プレイ内容は1対1のいちゃラブが基本。“激しく求めあう”ことへの没入感こそ本冊の魅力のようにも思う。
体位に偏りはなく、正常位や対面座位など、スタンダードな体位が満遍なく使われている。淡々とした導入に比べて、セックスは本当に激しい。
ヒロイン
ヒロインはJK~社会人で、みんな大きな巨乳おっぱいの持ち主である。画力とヒロインのビジュアル共に良いが、それ以上に、心理的な描写がしっかりしていることで、ヒロインにしっかりと魂がこもっているように感じられるのが魅力だ。
記号的なヒロインはおらず、みんなどこか大人の魅力を持った美女ばかりである。
オススメの一話
オススメの一話には「Afterglow」をあげよう。
藤堂真由は村城が気になっていた。最近苗字が変わり、暗くなるまでつまらなそうに本を読む彼が、自分と同じ匂いがすると思ったのだ。真由は放課後の図書室で村城に話しかける。親のことを愚痴ると、村城が意外と喋ることにホッとする真由。すると、村城は唐突に「僕とセックスして欲しいって言ったら気持ち悪いですか?」と言う。驚く真由だったが、逃げようとする村城を捕まえ、その場でセックスをする。それから、二人の放課後の図書室での情事がはじまり……。
村城の唐突な提案と、何故かそれを受け入れる真由。その流れが不思議と違和感がない。体を重ねていくうちに、さらに相手に受け入れられようと変わっていく二人がいじらしく、そして切ない1篇だ。先述したとおり「Morning Rose」はその続きとなっている。
オススメのヒロイン

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オススメのヒロインは「トクベツアツカイ。」の美晴だ。女教師である。
美晴は教師だが、勉強ばかりしてきたため、経験不足で人の悩みにも応えられない自分に、今になって焦っていた。ある日、生徒の真柴と会話をしていた。願望夢について教えてくれる真柴に、美晴は「どんな夢を見たの?」と問うと、「先生とHする夢を見ました」と言われ、動揺してしまう。そのことが引っかかっていた美晴は、改めて真柴と向き合うと、彼の願望を受け入れ……。

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美晴の感情は複雑である。ただ大人になっただけの自分に悩み、人の悩みや苦しみへの応え方がわからない。真柴と体を重ねるのは、今の自分が嫌だからだろうか。何となく納得してしまい、キャラに入り込んでしまう作品だった。
まとめ~スキノウラガワ~
司伝評価
絵柄 | |
物語 | |
キャラクター | |
抜き | |
没入感 |
- 燃えるようなセックスがしたい
- 巨乳おっぱいが好き
- ヒロイン側に感情移入してしまう
『スキノウラガワ』は以上のような方々にオススメしたい。スタンダードなセックスをしているはずなのに、精神的な興奮をもたらす導入が良かった。ヒロインの色気がたまらない作品集だ。
それにしても、表紙より中身のほうがヒロインが魅力的に映る。ちょっともったいない表紙である。
本作については以上である。それでは、またの機会に。

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