サンキューベリービッチ(たまごろー)浮気の復讐は

司伝の過去作レビュー

『サンキューベリービッチ』は2014年に発売された、たまごろー氏作の商業アダルトコミックである。

たまごろー氏はCOMICペンギンクラブなどに漫画を掲載しており、最近では一般誌での連載もしているエロ漫画家の先生である。絵柄は程よくデフォルメされて親しみやすく、それでいて柔らかそうでエロい肉体を描く。ギャルやビッチを好む、爽快で明快な作風である。

本項では『サンキューベリービッチ』の魅力と、それについての私の評価をまとめていきたい。

【収録作品】

『サンキューベリービッチ』の魅力

『サンキューベリービッチ』は全10篇で構成されているオムニバス短編集だ。内表題作である「サンキューベリービッチ」は連作で、番外編は短い描き下ろし作品となっている。

明確に表記されていないものもあるが、ヒロインはほとんどJKだ。おっぱいは巨乳が多く、いかにも体を持て余しているようなヒロインばかり。たまごろー作品の魅力とも言える、ヒロイン達の股の緩さの際立っている。

爽快でコミカルなシナリオ展開も心地よい。ヒロインはみんなエッチに対して軽く、誰とでもどこででも欲情し、セックスに至る。復讐浮気展開（「午後4時の体育倉庫」）ですらコメディーに落とし込んでいる。そのコミカルさがビッチヒロインの憎めないような可愛らしさを演出しているように思う。

良くも悪くも際立った作品はないが、お気に入りには「午後4時の体育倉庫」をあげておこう。

美夜は委員会の会議を待たずに帰ってしまった彼氏、村井が女の子と一緒にいる様子を目撃してしまう。浮気を許せないと怒る美夜は、復讐のために自らも浮気をしてしまう。翌日、さらに学校でも昨日と同じ女の子と一緒にいるところを目撃し、更なる復讐のために、同級生の男子二人を体育倉庫に誘い……。

浮気の復讐⇒自分も浮気！　と非常に短絡的な考えをする美夜。本質的にビッチなのだろう。この軽いノリが軽快で楽しく、それでいてちゃんとエロいのが良い。オチで彼女のアホ可愛さが際立つのもまた良いのである。

読者を二つの意味で楽しめる、コミカルなビッチ達が可愛い一冊だった。

司伝評価

『サンキューベリービッチ』は以上のような方々にオススメしたい。本冊は結構前の作品ということもあり、後半の作品ほど絵柄は微妙。ただ、それでも内容面ではたまごろー氏らしさはしっかりしており、ビッチ好きにはちゃんとオススメできる一冊となっている。

先述したが、たまごろー氏は最近では一般誌で描いている。嬉しいような寂しいような。定期的に戻って来てくれると良いのだが。。。

本作については以上である。それでは、またの機会に。