司伝の過去作レビュー

カクレコトは2016年発売、コミックシグマやコミック高などで掲載された短編を集めたオムニバス短編集である。全10篇で、内1篇は短いカラーページとなっている。
カクシコトは鶴田文学氏の5冊目の単行本だ。個人的にもかなり好きなエロ漫画家の先生であり、単行本も4冊所持している。
この5冊目においては画力は高めで、画面も見やすい。非常に安定感のある先生だ。作風については、読む人をドキドキとさせるほどの繊細な心情を描く。その空気感を作る、シナリオの構成力は相当高い。ヒロインにメリハリボディが少ないのは、そこにある生々しさを描くためではないだろうか。
派手さは無いが読んでみるととても良い。だからこそオススメしたい作品である。
『カクレコト』の魅力

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カクレコトは2篇のみ前後編のような作りになっているが、他はそれぞれ独立している短編集である。全体的な共通点と言えるものは少なく、いちゃラブもあれば、少しダーティーなものもある。全ヒロインがJKくらいの少女であることくらいが共通点だろうか。

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本冊は全話解説したいくらいにどれも魅力的だが、個人的にはいちゃラブ物のほうが好きだ。「オトシゴロ」では年上の幼なじみJKがヒロインなのだが、その初心な会話には、恥ずかしながらも胸が高鳴った。
セックスまでの導入がとにかく良い。大好きな幼なじみのお姉ちゃん、あや姉は変化に悩む思春期の女の子だ。主人公もその女性としての変化を感じているのだが、それが読者にも伝わってくる。ドキドキするやり取りの中で体を見せ合い、主人公に任せる形でセックスが始まる。二人の感情が手に取るようにわかるため、この流れに納得し、入り込むことができるのだ。

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主人公もヒロインも等身大の少年少女たち。短い短編でもその興奮が伝わってくる緻密な構成力は圧巻であり、きっと多くの人に受け入れられるだろう。
【まとめ】カクレコト
司伝評価
絵柄 | |
物語 | |
キャラクター | |
抜き | |
導入 |
- エロ漫画の導入は大事
- 等身大の少女を描く作品が好き
- 生々しさを感じられる作品が好き
- JKと恋愛がしたい
カクレコトは以上のような方々にオススメしたい。エロ漫画の導入とは、いかにヒロインに興奮させてくれるかが重要だ。その方法として、読者を惚れさせる、というものがある。短編でそれを作るのは難しいものだが、それを可能にする構成力を持っているのが本冊を描いた鶴田文学氏である。
きっとヒロインに対し、絵柄以上にかわいいと思わせてくれる。その感覚を味わいたい人にはぜひ読んでもらいたい作品なのだ。
本作については以上である。それでは、またの機会に。

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