司伝の過去作レビュー

『ろりとぼくらの。』は2012年に発売された、クジラックス氏作の商業アダルトコミックだ。
クジラックス氏はCOMIC LOに漫画を掲載しているエロ漫画家の先生である。もはや言わずと知れたロリエロ漫画界の巨頭であり、Wikipediaの充実ぶりもエロ漫画家の中で群を抜いている。模倣事件が起こるほどの設定力と、個性的ながら一見して可愛いロリっ娘ヒロインが魅力で、ロリ漫画界のみならず、広く愛されている先生である。
本項では『ろりとぼくらの。』の魅力と、それについての私の評価をまとめていきたい。
【収録作品】
- がんばれ便所飯くん
- らぶいずぶらいんど
- さよなら姦田先生
- JSえっち講座 女児ルーム編
- ろりともだち
- 学祭ぬけて
- 学祭ぬけて番外編 ニコニコ♪ ゆなちゃん
- ロリ裁判と賢者の石
- まなでし!
- ろりともだち番外編 夏休みの少女達(描き下ろし)
『ろりとぼくらの。』の魅力

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『ろりとぼくらの。』は全10篇で構成されているオムニバス短編集だ。内「ろりともだち番外編 夏休みの少女達」は「ろりともだち」の前日譚。「学祭ぬけて」は連作となっている。
ヒロインは(幽霊もいるが)全てJS。発育具合の差はあれど、おっぱいも全てちっぱい貧乳の、正統派ロリっ娘たちである。個性的な絵柄ながら目立ったクセはなく、ビジュアル的にも普通に可愛いヒロイン達となっている。
クジラックス作品は内容こそが最大のセールスポイント。世界設定自体がぶっ飛んだものもあるが、明確に犯罪行為を描く作品も多く、それについてはやたらとリアリティがある。まるで、本気でJSとセックスがしたくてこんな妄想をして創り出したかのようである。
犯罪行為を描く作品については、当然ではあるが、ヒロインのJS達はかなりかわいそうな姿に描かれる。その辺りで引く人もいるだろう。かの私もそうである。“かわいそうすぎて抜けない”現象はある程度覚悟しておく必要はある。
お気に入りは2篇ピックアップしたい。一つは「らぶいずぶらいんど」。盲目の青年と自分が大人だと嘘をつくJS少女の恋愛ストーリーである。

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テストの点数が低くて落ち込むJS6、小林のぞみは町で視覚障碍者のオジサンと出会う。オジサンを案内しつつ、日頃の愚痴をこぼすのぞみ。オジサンの優しい言葉に、のぞみは恋に落ち、時々家の世話をしてあげようかと提案する。すると、オジサンはのぞみが子供だからと遠慮しようとするが、のぞみは”ふくしの大学”に通う大学生だと嘘をつく。世話をするうちに二人が恋愛関係になるのは自然な流れで……。
クジラックス作品の中では珍しい、JSの純愛ストーリーである。自分の姿が見えないから自分を偽るのぞみ。その気持ちは純情で、オジサンもその気持ちに応えるのだが……その結末は切ない。短編としてのまとまりも良い傑作である。
もう1篇のお気に入りは「ろりともだち」。こちらは大問題作である。

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大学生の赤井は新歓飲み会で山崎と出会う。「小●生レイプしてええええ」と叫び、サークルにも出禁を食らった山崎を見て、赤井はシンパシーを覚える。赤井もまたロリコンであり、二人はロリ友達となったのだ。山崎はいけないファイルをいっぱい持っており、それを通じて仲を深めていく。大学卒業間際、人生に希望の無い二人は、死んでも構わないからJSをレイプしたいと思い、それを実行することに……。
ここには一つの青春が描かれている。人には言えない趣味を持つ二人。それをきっかけに仲を深め、真の意味での親友となっていく。しかし、二人して人生に希望が持てなくなると、その“欲望”を最後の”夢”とし実現していくこととなる。一つの映画を見ているくらいに心を揺さぶられる作品で、昨今の犯罪事情もあり、非常に恐ろしい作品とも思える。”欲望”が人生の希望になってしまえば、こういう事件が前向きな形で起こりうる。社会づくりがいかに重要か……と考えさせられる辺り、本気で(もちろんエロ抜きで)映画化しても良いほどの出来だと思っている。ちなみに、私はこれでは全く抜けない。それでも、傑作としてピックアップしておきたい作品なのだ。

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クジラックス氏の単行本というだけで読む価値のある一冊。エロ漫画好きだけではなく、漫画文化に精通する人間なら触れる必要のある作品集である。
【まとめ】ろりとぼくらの。
司伝評価
絵柄 | |
物語 | |
キャラクター | |
抜き | |
設定 |
- リアリティのある設定に興奮する
- 正統派のちっぱいJSロリっ娘が好き
- ロリっ娘のかわいそうな姿に興奮する
『ろりとぼくらの。』は以上のような方々にオススメしたい。全作品が良いとは思っていないが、ピックアップした2篇だけでもおつりが来るほどには名作である。
「決して真似をしないように」。この作品以上に、この注意書きが必要な単行本など存在しないだろう。絶対にハイエースしてはならない。
本作については以上である。それでは、またの機会に。

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