少女が女性になる過程において、恋とは必須なのだろうか。いや、恋は少女のままでもしているし、幼児でもできるものだ。では、女性へと成長を遂げる時は、いったいどんな瞬間なのだろうか。
私、司伝は”失恋”にあるのではないかと思っている。失恋の痛みは、本当の恋にしかない。失恋を乗り越えると、少女のみならず、人は大きく成長するのだと思う。
エロ漫画サイト的には、ここは「少女を大人にするにはセックスである」と答えるべきだろう。しかし、ロリ漫画の紹介が多い私として、少女×セックス=大人の方程式を肯定すべきではないのだ。少女は少女のままでもセックスをする。ロリコン紳士としてはこう答えるしかないのだった。

今回は大人と子どもの狭間にいる少女の心の中を描いたような作品集をご紹介します。
本項目では、『めざめ』の作者るりいろシュガー氏について、また、『めざめ』のシナリオやプレイ内容、ヒロインの雑感、オススメのヒロインと一話について、最後には司伝の評価も記載しておく。最後まで見ていただければ幸いだ。
めざめ/るりいろシュガーとは
タイトル | めざめ |
著者 | るりいろシュガー |
初版発行 | 2021年 |
掲載誌・レーベル | AOHA COMICS |
出版社 | 茜新社 |
ページ数 | 272頁 |
形式 | オムニバス |
漫画家・るりいろシュガー
初単行本『めざめ』
— るりいろシュガー (@ruriiro_sugar) November 18, 2021
・紙版 :11月27日
・電子版:12月1日
より発売予定です!
下記書店で予約受付中(店舗購入特典あり)
ですので、みなさま是非よろしくお願いします!
とらのあな様https://t.co/dyK5UFg4ZZ
メロンブックス様https://t.co/Ix6XE7jYXd pic.twitter.com/mB3wCnHSjI
るりいろシュガー氏はCOMIC 高などに漫画を掲載するエロ漫画家の先生だ。本冊が処女作となっている。
独特な絵柄で、表現力が強く味がある。人間臭さ、生々しさを描く作風ともよく合っており、引き込まれるような作風である。非常に今後の作品が気になる先生である。
作品・めざめ
刷り込みか、愛情の誤認か――
少女が女性へと成長を遂げる、その瞬間。
初めて見開いた眼には何が映るのか少女ひとりひとりのキャラクターを真剣に見つめ、
めざめ【DLsite限定特典付き】 [茜新社] | DLsite 成年コミック – R18
丹念に描き続けた8年10作品240Pの処女単行本。
『めざめ』は全10篇で構成されているオムニバス短編集だ。
叙情的なページもあり、非常に独特な作品である。大分類としては純愛いちゃラブに入るが、それだけではなかなか魅力を伝えられない。丁寧なキャラクター描写で没入感があるため、エロ漫画としての実用性もあり。面白い一冊に仕上がっている。
【詳細】めざめ

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それでは、『めざめ』をより詳しくご紹介しよう。
【収録作品】
- 紡ぎ、青く
- 咎人の夢
- My friend
- LOVEえくすぷろーじょん
- violation collar
- フユモエ
- 晩夏の花
- 霊を撮る方法
- 暴走セクシャルアクション
- 故郷の陽
シナリオ

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シナリオは全て現代劇。良い意味でエロ漫画とは思えない空気感を漂わせているのが特徴である。

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どれも一話完結の短編ながら、キャラクターへの没入感が高い。モノローグや行間を読ませるなどの工夫もあってか、官能小説のような仕上がりである。
プレイ内容

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プレイは全て一対一であり、いちゃラブセックスと言っていいだろう。ただ竿役とヒロインの関係性が丁寧に描かれている分、単調にはならず、どれも全然違うセックスのように感じられる。

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体位は正常位や騎乗位など。フェラチオはいくつかの作品であり、なかなか描写がエロティックでお気に入り。パイズリもワンシーンあり。

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嗜好に響きそうなものとしては拘束、野外もあるが、正直そこはどうでもいい。ひたすら竿役とヒロインとのやり取りが読者を興奮に導いてくれる。
ヒロイン

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ヒロインは掲載誌もあり、全てJKである。おっぱいは普乳から巨乳までいるが、自然体というか、それほど強調して描かれていない印象を受ける。

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絵柄がかなり個性的で人を選びそうだが、作画自体はとても丁寧で好印象。ヒロインのルックスもまた個性的で、最初から美少女として描かれていないのがポイント。そばかすとか刈り上げとか、いかにもブスっぽいJKが描かれており、それがシナリオと共に生々しさを助長させている。
オススメの一話
全体的に読み応えがあり、綺麗にまとまっているためオススメの一話を選ぶのも難しい。今回は「My friend」をピックアップ。
鈴原佳子は生真面目で優秀だが、夢中になると周りが見えなくなる。最近夢中になっているのが、新任の藤堂先生。しかし、彼は他の生徒からも人気者で、佳子はそれに嫉妬し、自分を彼好みに女性に変えようと模索していた。少しずつ自分を変え、それを藤堂に褒められて気を良くする佳子。それでも、藤堂や佳子だけを見ることはなく、あくまでも生徒の一人としか対応してくれず、佳子は藤堂の気を引く方法を血眼になって探していた。メガネの地味女子から茶髪のギャルへと変貌を遂げたころには、藤堂や友人に心配されるようになってしまう。そのことを不満に思った佳子は、さらに対策を練る。自分に足りないものは「実行力」と考え、佳子は強攻策に出ることに……。
恋は人を変えるが、それが必ずしも良い方向だとは限らない。彼女の最終的な対策は“逆レイプ”。自分を変えていった彼女の行動は、結果的に相手を傷つけるものとなり、そして自分も傷つくこととなった。心をえぐるような1篇だった。
オススメのヒロイン
オススメのヒロインもほぼ全員と言っていいのだが、今回は「フユモエ」のJK、涼にしておこう。先述した刈り上げ娘である。
竿役はよく訪れる銭湯の娘、涼に懐かれている。涼は小説家志望である竿役に、事あるごとに読ませてほしいと言ってくる。いつも見せてくれないことに不満を思う涼。竿役が「自信がない」と言うと、涼は「私が一肌脱いであげるっ」と言い、定休日の銭湯へ誘う。他に誰も人の居ない銭湯で、涼は竿役の背中を流す。「頑張ってる背中だ」と言う彼女に、結果を出せない悩みを吐露し、涼のほうが頑張ってるように見えると流す。すると、涼は「私が今頑張れてるのはおにーさんのおかげなんだ」と言い、背中から竿役に密着し……。
見かけによらず人懐っこく、見かけによらず包み込むような優しさを持ち、見かけによらずエッチ。そんなヒロイン、涼に惹かれる読者は多いはず。外見は可愛いとは思えないものの、ストーリー上の彼女はとにかく魅力的に映る。この辺りは作者の腕としか言いようがない。挑発的なセックスも良くて、実用性も申し分なし。良いヒロインだった。
まとめ~めざめ~

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司伝評価
絵柄 | |
物語 | |
キャラクター | |
抜き | |
没入感 |
- 没入感のある作品に惹かれる
- リアリティのあるヒロインに惹かれる
- 青臭いJKが大好物
『めざめ』は以上のような方々にオススメしたい。サンプルの段階で「この絵柄で抜けるだろうか」と心配になる読者も居るだろうが、心配はご無用。内容とヒロインの魅力により、絵だけのエロ漫画よりもよっぽど抜ける仕上がりになっている。
こういう作品を描く先生ほど、量産も持続も難しい。何とか頑張っていただきたいものである。
本作については以上である。それでは、またの機会に。
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