だから神様、ボクにしか見えないちいさな恋人をください。(御免なさい)

司伝の過去作レビュー

『だから神様、ボクにしか見えないちいさな恋人をください。』は2016年に発売された、御免なさい氏の2冊目の商業アダルトコミックである。前作が2008年であるため、まさに満を持しての発売となった。

ロリ少女のデザインが特徴的で、デフォルメされたキャラクター感に写実的な表現が組み合わさっている。イラスト的かと思えば、実際の少女のような質感を持っているのだ。

これは僕の心臓が止まりそうになる光景 pic.twitter.com/Pby9vr3KqO

— 御免なさい＠じとぺた💦 (@0721gomen1919) August 12, 2021

この見事な表現力。今後とも注目していきたい漫画家・イラストレーターなのである。

『だから神様、ボクにしか見えないちいさな恋人をください。』の魅力

『だから神様、ボクにしか見えないちいさな恋人をください。』は3編の中編を含む全7篇で構成されている。そのどれもが、ロリ少女をヒロインとしている。

先述した通り、作画力はかなり高い。ただその技術力のためか描き込みが多すぎて見づらい箇所も存在する。まあその辺りは好みの分かれるところもあるだろう。

問題はシナリオである。かなりぶっ飛んでいる設定とコメディー要素の強さから、どうもとっつきづらい作品となっている。それも味ではあるのだが、エロ漫画として使用できないのは少し困る。中編の「脱出！ちびっ娘専用車両」とか、その力の入りように反して、悪ふざけのような内容になってしまっていて残念である。

大乱交や裸に落書きする肉便器表現など、特徴的なシーンは色々あるのだが、そのノリのせいでどうもエロく感じず。

純粋にその画力を堪能できるような、もっとエロに傾いた短編を描いてくれれば手離しで褒めたいのだが……。少女たちは非常にかわいいが、どうも読者が置いていかれるタイプの作品だった。

【まとめ】だから神様、ボクにしか見えないちいさな恋人をください。

司伝評価

• ぶっ飛んだエロ漫画が読みたい
• 御免なさい先生の少女のデザインが好き
• 明るいロリ物が好き

以上の方々に、『だから神様、ボクにしか見えないちいさな恋人をください。』はオススメである。描くロリ少女たちは本当にかわいらしいのだが、シナリオがぶっ飛びすぎていて、そのほとんどの短編でロリ少女である必要性がなかったように思う。

もっとエロに目覚めてくれたら……と思う反面、ツイッターのイラストを見ていると、一般向けのイラストレーターとしても活躍できそうなポテンシャルを秘めてるのではないかとも思ってしまう。私が知らないだけでもう活躍している可能性もありそうだ。

本冊については以上である。それでは、またの機会に。