【エロ小説】旅館さくらの葉奈子ちゃん3話④【風俗】

官能小説

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3話 魅惑の一夜7

「入らないのか?」
「何かお湯が中に入ってきそうで……」
「んなわきゃないだろう」

 私はお風呂に浸からずに、風呂椅子に座っていた。頭に巻いたタオルはすっかりびしょびしょになっている。
 まだドキドキしてる。旦那さんとのエッチに夢中になるなんて。これからも一緒に暮らす人なのに、これはまずい。

「はぁ……」
「いやー、凄かった。もうお前のことを子どもだなんて言えないわ。うん」
「…………」

 デリカシーという言葉など辞書に無い旦那さんは、さも楽しそうにさっきの行為の感想を言ってくる。私は頭を抱える。

「場慣れした女と違う、ただ純粋に快感を求めるってエロさ。もう天性のもんだ。中の具合も最高だし、その子どもっぽい体型以外は完璧な女だよ、お前は」
「……うわああああああああああああ!!!」
「おおっ!? どうしたんだ!?」

 私は叫ぶ。旦那さんとエッチして気持ち良くなった事実を、何とかかき消したいのだ。

「私! 先に上がりますから!」
「……ああ」

 案外すんなりとお許しが出ると、私は脱衣所へと逃れた。
 ガラス越しに旦那さんを見る。旦那さんは何か言っているようだ。

「……俺の部屋で待ってろ、か」

 そう、これで終わりではないのだ。私は赤面しながら、急いでドライヤーで髪を乾かし始める。
 やっちゃった感で心が落ち着かない。このことを知ったら、女将さんはどんな顔をするだろうか。嫉妬で狂うということは考えられないけど、気まずくなるのは間違いない。

 気が重い。でも、その不安も何かドキドキするものの一部なわけで、体の感度に影響を及ぼしているのは間違いなかった。
 私はイッてない。そのせいで、今でも一人で始めたいくらいのモヤモヤが残っている。これも旦那さんの作戦なのだろうか。
 ……違うか。旦那さんは自分勝手にイッただけ。私がイキたいと思ってるのも知らないで、勝手に終わってしまっただけなのだ。

 このまま部屋に戻って鍵を掛けて寝る、という選択肢はあるのだと思う。でも、私はそれを選べない。
 おあずけされてる犬みたいに、私は旦那さんの部屋で帰りを待つのだ。

 旦那さんの部屋は事務所の奥にある。狭いが誰にも干渉されないというこの部屋で、旦那さんは悠々自適に過ごしている。
 中はシンプルで、模様らしいものが奥にあるカーテンとベッドの上の掛布団くらいしかない。ベッド上で寝大仏してちょうど良いくらいに見れそうな位置にテレビが置いてあり、その下には多くのDVDが置かれている。

 意外と片づけてあるのは、今日のことを想定していたからだろうか。物はないけど埃っぽいところがあるのを見ると、尚更そう思う。
 私はテレビの電源を入れる。チャンネルは入力1に合わせてある。ということは、DVDを見ていたことは濃厚だった。

 そのままベッドの腰掛けると、プレーヤーの電源も入れ、再生ボタンを押してみた。すると、想像通りエッチな映像が流れ始めた。

『あぁん! あぁん!』

 出ている女優さん(?)は胸の小さい人だった。私をすることを考え、気持ちを高めていたのだろうか。
 女優さんはセックス中、ずっと眉間にしわを寄せている。
 苦しそう。少なくとも気持ち良くなさそう。旦那さんには「エロい顔をしてる」と言われたけど、それがこういう顔なのだろうか。

『あー、あーイクイク』
『はぁん!』

 男の人が女優さんの顔に精子を出して終了。これはされたくないな、事前に言っておこうかな。
 いや、言っておくと逆にされそうだ。旦那さんはそういう人。肝に銘じておかねばならない。

 次のシーンが始まる。学生服なんて着ちゃって、舞台も学校の教室だった。
 こう見ると女優さんの印象が違う。服も似合っていて、かなり可愛らしい感じ。こんな人もAV女優なんだって考えるとちょっと複雑な気持ちになる。

「おー、なんだ、AV見てるのか?」

 この部屋の主が帰ってきた。私はテレビを消して取り繕うことなく、旦那さんを睨みつけた。

「……何のDVDが入ってるのかなって思って再生しただけです」
「いいじゃないか。つけとこう」

 そう言って、旦那さんは私の隣に腰掛け、肩を抱く。ヤル気満々。私は一応抵抗して、その手からするりと抜けた。

「何だ今更?」
「私、彼女でも奥さんでもないんです」

 そう言いつつ、私はドキドキする。ここは男の人の部屋。今までは旅館の一室でしかしてこなかったのに、今日は露天風呂でして、今度は普通の部屋でする。初めてのことばかりだ。
 しかも、このまま夜を明かすとなれば、恋人の家で泊まるような状況と変わりない。

 何というか……際限がなくなるような気がする。

「いいだろ。今は俺の愛人で」
「――んっ」

 不意にされるキス。私はそれに応える。舌を絡め合って、口から私たちは一つになる。

「はぁ――」
「またエロい顔してやがる」

 そのままベッドに押し倒されると、すぐに服がはだけられる。ブラジャーなど当然していない私の乳首はすぐに露わになった。
 旦那さんはそれを舌で転がし、舐め、吸い上げる。すでに体が敏感になっている私は、その度に大きく反応してしまう。

「はぁん! やん!」

 もう容赦がない感じ。旦那さんも随分興奮しているようだ。
 なら、もう――。

「とっとと入れてほしいのか?」

 旦那さんは意地悪く笑いながら言った。

「べ、別に……」
「物欲しそうな目で見てたぞ。どれ――」
「やぁん!」

 旦那さんの手が私のパンツの中に入り込み、おまんこに触れる。私のそこは取り繕えないくらいに濡れている。

「ぐちゃぐちゃだ。ドスケベ娘め」
「違う……」
「入れてください、って言えばさっさと入れてやるのに。さっきイケなかったことで溜まってるんだろう?」

 何故ばれてる。でも私は言わない。キッと旦那さんを睨みつける。

「まあそうしてればいいさ。じゃあ69(シックスナイン)しよう」
「――シックス?」
「6と9みたいになるだけ。簡単だよ」

 旦那さんはするりと私の服を脱ぎ去ると、パンツも下にずらされた。私のおまんこのところに頭を向けると、おちんちんが私の顔あたりにくる
 ああ、これが6と9か。私はすぐに納得した。

 旦那さんが私のクリトリスを攻める。

「ひゃっ! あん!」
「――ほら、お前も口を動かすんだ」
「へ?」

 ……そうか、旦那さんと同じことをすればいいんだ。私は目の前にあるおちんちんに触れる。
 さっきよりも抵抗が無い。むしろ、男の人の部位の中でも好きなほうかもしれない。

 私は元気にぴくぴくしているおちんちんを舐める。またぴくってする。可愛い。
 そのまま咥えると、気持ち良くしてあげるために、くちゅくちゅと唾を含めながら動かした。

「あぁ……」

 旦那さんからも声が漏れる。すると、また旦那さんは私のクリトリスを舐め始めた。

「んんっ! んむ……」

 負けじとこちらも口を動かす。仕返しというよりも、お礼という行為。

「うあ……、もういい」
「んー、はぁ……」

 突然切り上げられたことに、私が不満そうにしていると、旦那さんはすぐにセックスする体勢に変えた。

「こっちがヤバくなってきた。もう入れるぞ」
「は――って待った待った! コン――」

 コンドーム、と言いかけてやめてしまった。何でだ。自分でもわからない。

「チッ、分かってるよ。ああ、商品じゃなけりゃなぁ」
「は、はは……」

 旦那さんは渋々といった感じに、コンドームを装着した。私は自分の欲望に戸惑いながらも、ちょっと安心する。
 そのまま正常位でおちんちんを押し当てられる。そして、私の中に入ってきた。

「きた……!」
「……お待ちかねだろ?」
「ち、違うっ――んっ」

 旦那さんのおちんちんは、奥とか入口の上のほうとか、私の気持ち良い場所に全部当たる。

「あぁぁ……」
「くうー、小さいなりしてこの具合の良さ。変な趣味に目覚めちまいそうだ」

 旦那さんは沁みるような顔をしてから、腰を動かし始める。ゆっくりゆっくり動くのは、自分がすぐにイカないためだろう。
 私はふとテレビの存在に気付く。画面内では、今の私と同じような光景が繰り広げられている。

 制服姿の女優さんは学校の机に寝そべり、男の人は立ちながら挿入している。
 繋がっている部分はモザイクで隠れている。でも私が自分の下半身を見ると、そこはもちろん鮮明に見える。
 旦那さんの大きなおちんちんが、私の小さなおまんこに飲み込まれる。その見えては隠れるの図は、どこか神秘的に見えた。

「ほら! どうだ? 気持ち良いか?」
「んんっ!」

 真剣な表情の旦那さんと目が合う。私は思いっきり感じながらも、首を横に振った。

「顔は正直だな! ほら!」
「あぁん! んっ♪」

 ヤバい、気持ち良い。さっきの分も合わせて、もうイッちゃいそうだった。
 でも素直になれない私は、こっそりイクことを考えた。

「あっ! んっ♪ あぁん♪」
「良い声だ! あー……」

 旦那さんも必死である。そしてもう私は限界。右腕で顔を覆う。
 瞬間、私は絶頂した。口をへの字にしながら、私は痙攣を誤魔化すためにちょっと自分の腰を動かす。

「はぁ……はぁ……。ん? お前、イッただろう?」
「は? な、何のことですか?」

 バレバレだったらしい。無念。

「せっかく同時にイこうと思って我慢してたのに。もう俺もイクぞ!」

 そう言って、腰の動きが速くなる。イッて尚感じやすくなっている私は、その動きに大きな反応を見せてしまう。

「あぁん! んっ! あぁ――」
「ああっ! イクぞ! あー――」

 今度は旦那さんが痙攣する。必死な顔をして、私の中で射精している。私はそれを、お風呂場よりは冷静になって見れていた。
 旦那さんが私の手中に納まってる感じ。実際は膣内だけど。

「い、イキましたか?」
「……お前の中は最高だな」

 もう何度も言われたようなことを言われる。私も、旦那さんの大きなおちんちんが気持ち良い。でも、それは言ってあげない。
 エッチの相性とか言うけれど、私と旦那さんは間違いなく良いと思う。これは誰にもばれてはいけないことだった。

「はぁ、はぁ……」
「こんなに持たねえよな、普通」

 旦那さんはテレビを見ながら言った。女優さんは体位を変えていて、今度は後ろから突かれていた。

「はは、敗北感ありますか?」
「いや、優越感だな」
「え?」

 旦那さんはおちんちんを抜き、コンドームを外した。すると、また新しいコンドームの袋を開け始めた。

「こっちのが良い女だってことだよ」

 ぽかんとする私。少女じゃなく、完全に女扱いされたような殺し文句に、心の性感帯を突かれたような気持ちになった。

「今度はお前から動け」
「……はい」

 旦那さんは仰向けになって手を広げる。私は旦那さんの言う通り、上にまたがった。そのまま、一気におちんちんを中に流し込む。

「うお……」
「あぁ……良いですか?」
「うむ……」

 すっかり気を良くした私は、せっせと騎乗位で腰を動かし始めた。自分で自分の気持ち良いところを攻める。一人エッチみたいな体位。

「あぁん♪ あぁん♪」
「あぁ……ちょっとテンポが速すぎねえか?」
「……8万円分ですから。私の仕事、8万円分は気持ち良くさせない、とっ♪」

 私は買われた身である。だから私は、8万円分はしっかり旦那さんを気持ち良くしてあげようと思った。
 おちんちんが中を暴れまわる。実際は、私がおちんちんをバーテンダーみたいにシェイクしているのだけれど。
 ああ、良い。次第に口を閉じることを忘れて涎を垂らし、しまいには呂律が回らなくなってくる。

「ま、まあ俺は何度でもイケるんだけどな――」
「そうなんっ――れすかっ――あぁん♪」

 旦那さんもちょっと無理してる感じ。そんな旦那さんを攻めること自体が快感。
 私はガンガン攻める。もう振り切ってしまったから、あとは欲望に一直線だった。

「あぁん! はぁん! あぁん♪」
「お前も――気持ち良さそうじゃないか!」
「気持ちひいれすよ♪」

 旦那さんは驚いたような顔をする。私はもうやけになっている。

「旦那さんのおちんちん、気持ちひいれす♪」
「お、お前――」
「あぁん♪ ほら♪ 旦那さんも気持ちひいんれしょ♪」
「あぁ! あぁ!」

 快感が私の体を走る。今、私は旦那さんを虐めている。旦那さんは焦ったように、私の動きに合わせて腰を動かしている。

「や、ヤバい! そろそろ――」
「イッてください♪ はぁん♪」
「あっ! あっ――」

 イッてる旦那さんに対し、私は腰を動かし続ける。本当に搾り取るみたいに。

「そのまま続けられると痛いって!」
「何度でもイケるって――」
「ご、ゴム外さないと、破れてえらいことになるぞ」

 そう言われると、私は少し現実に戻った。旦那さんのおちんちんを抜く。

「はぁ……はぁ……」
「ふあぁ……、本当にまだ元気なんですね」
「あ、当たり前だろう? ……今度は俺から動くぞ」
「……はい」

 すぐにコンドームを付け替えると、次は後ろから入れられる。おちんちんが入ってくると頭が真っ白になって、私は壊れていく。

「あひゃっ♪」
「……ドスケベめ。俺よりも絶倫なんじゃないのか?」
「しょんなことないれふ」

 深く刺さる感じ。奥のほうをノックする旦那さんのおちんちん。

「ひゃっ♪ ひゃん♪」
「ほら! 何が入って気持ち良いんだ!?」
「おひんひん」
「少しは恥ずかしがれよ、全く! ただの淫乱じゃねえか!」
「しょんなことない! あひゃ♪」

 ヤバ……もうイキそう。

「イッちゃう! はぁん♪」

 私は素直にそれを言った。もう気持ち良くなることしか考えたくない。

「ちょっと耐えろ! ああぁ……俺ももう少しだ!」
「あひゃっ♪ はやくぅ♪」
「ああー、もう少し! ああぁー」
「おひんひんきもちひい……♪」
「くあっ! ああぁ……」

 私が何か言うと、旦那さんのおちんちんは敏感に反応する。だから私も調子に乗って、エッチなことを言ってしまっていた。

「いいれふ♪ おひんひんいいれふ♪」
「うお……もうイクぞ!」

 ピストンが速くなる。私のおまんこから全身にかけて快感が走ってく。

「イッて♪ イッてくらさい♪」
「ああっ! ああぁっ!」
「私もイッちゃう! あぁん♪」
「イクぞ……ああぁ――!」
「イクっ――!!」
 
 今度は、同時にイクことが出来た。旦那さんは覆いかぶさりながら、後ろからキスを求めてくる。
 当然、私はそれに素直に応える。恋人同士みたいに、私たちはキスをする。

「あひゃ……まだひまふか?」
「え?」

 呂律が回らない私。旦那さんは聞き取れなかったようだ。

「まだヘックスしまふか?」

 私は「まだセックスしますか?」と言いたかった。旦那さんは何とか理解したのか、呆れるような目と、ちょっと引きつったような笑みをくれた。

「……ああ」

 その後、体位を変えながら何回もセックスした。本当に愛人になったみたいに、夜の時間が過ぎていったのだった。

3話 魅惑の一夜8

 汗の臭いで目を覚ました。
 カーテン越しに薄らと見える光。そこには埃が浮いていて、やっぱりこの部屋は汚いんだと思わされる。

 私は旦那さんの腕の中に居た。結局、夜通しやりまくってしまった。
 最後のほうは覚えていない。昨日は、お風呂場も合わせると、覚えているだけで5回もセックスした。もちろん、最高記録だった。
 私は4回イッた。これも最高記録。

 改めて旦那さんの顔を見る。気持ち良さそうに、馬鹿みたいな顔をして眠っている。
 旦那さんとやってしまった。これからの日常生活に支障をきたすことは間違いないだけに、後悔の念が絶えない。

「はぁ……」

 まあ、お金を貰ったわけだし、そこまで悩まなくても良いのかもしれない。私はただ、お客さんとしただけ。その割り切りが大事だった。
 こうして旦那さんの腕の中で目覚めると、初めてプライベートでエッチした感、もあってお得。そう思うことにしよう。うん。

 不意に、ガチャッとドアの開く音が聞こえた。私は凍り付く。
 そうだ、大事なことを忘れていた。旦那さんは妻帯者であり、その奥さんは私がとてもお世話になっている人。

「…………」
「…………」

 入ってきたのは女将さんだった。無言で見つめ合う私と女将さん。
 言い訳できない。素っ裸で旦那さんの隣に寝ている私は、どう見ても間女だった。

 涙があふれてくる。心が痛くて、ただ申し訳なくて、私は泣くことしか出来なかった。

「ごめんなさい……」

 女将さんは無言のまま、旦那さんの足のところへ来た。
 そして布団を剥がす。すると、旦那さんはやっと目を覚ましたようだ。

「……ん? ああ、帰ってたのか」

 女将さんは凄い怖い目をして、足を突き出した。その先は、旦那さんの……玉のところだった。

「――ぎゃああああああああああああああ!!」
「あんたって人は! 何でそんな見境が無いんだい!!」

 女将さんの攻撃は一撃じゃ止まない。旦那さんが体を丸めると、今度はお尻辺りに連続で蹴りを入れる。

「お、女将さん! 落ち着いてください!」
「はなちゃんに手を出すなんて!! ああっ! はなちゃん泣いてるじゃないか!」

 それは別に理由です。ああ……滅茶苦茶気持ち良かったなんて絶対に言えない。

「ま、待て……、ちゃんと金払ってるんだから……」
「そんな問題じゃないんだよ!!」

 また私から涙が出る。
 違う理由、今度は恐怖心からの涙だった。女将さん、怖い。怒らせるとこんなに怖いんだ。

「ただでさえ……なのに! ああもう!」
「タンマタンマ! 葉奈子! 止めてくれ!」

 無理です。無理無理。私が止められるわけないじゃないですか。
 女将さんは私のために怒ってくれている。申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

 だからやりたくなかったんだ。私にも罪はあるけれど、誘った旦那さんだって悪いんだから、私がここで旦那さんを助ける理由は無い。
 女将さんには後でちゃんと謝ろう。私はこっそり部屋を抜け出した。

 次の日。

「あ……」

 外でも掃こうかと玄関へ向かっていると、あの後夕飯にも来ないで部屋にこもっていた旦那さんと遭遇した。
 私は身構える。それは、助けなかったことを恨まれてそうということもあるし、ついに肉体関係を持ってしまったということの警戒心もある。

「お、おはようございます」
「おーう」

 旦那さんはお風呂へ向かっているようだった。日課の朝風呂だろう。
 なんか今まで通りだ。この前エッチしたことなんて忘れてるみたい。

「外の掃除してきま――きゃっ!」

 今まで通り。セクハラまで今まで通りだった。お尻をわしづかみにされると、私は無抵抗に立ち尽くしてしまった。

「やっぱり一回ヤルと対応が違うな! 触られることも快感になってるんだろう! はっはっは!」

 そのままこねくり回される。私はハッとして、やっとのことで振り払った。

「セクハラ!」
「俺のちんこを求めてるんだよ。またやろうぜ、エロ娘!」
「絶対しません!!」

 私は玄関へと逃げるように走っていく。今まで通りだからこそ最悪だ! 
 ちょっとドキドキする自分が悲しい。体は本当に求めてるみたいにちょっとうずく。

 体は望んでても、心は望んでない。何がエロ娘だ!
 でもあの時の私は確かにエロ娘だった。ああ、思い出したくない!

「あぁん! もおおぉ!」

 もう絶対にしない。そう思いつつ、全然自信が無い私だった。 

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