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3話 魅惑の一夜5
「はぁ……」
そりゃため息も出る。戴いてしまったのだから、もう抵抗できない。
部屋に帰って財布にお金を入れたところで我に返った私。警戒の甲斐なく言いくるめられたわけである。
「あ……」
「よう、来たか」
別に待ち合わせたわけでは無かった。今日は結構汗もかいたし、体を綺麗にしなければと思っただけだ。
旦那さんは当たり前のように私を待ち構えていた。私に出来る抵抗は睨みつけることくらい。
「そんな目で見るな。興奮するだろう」
「何でそうなるんですか……」
睨まれると興奮するなんて変態である。まあ元々旦那さんは変態だろうけど。
「普通に洗わせてください」
「何だ? 普通じゃないのがあるのか?」
「髪も洗いたいんです」
いつもは男の人とお風呂に入るときは髪を洗わない。乾かすのに時間が掛かるし、男の人も洗わないからだ。
小石さん曰く、普通がそういうものらしい。風俗のマナーみたいなもの?
しかし、今日はそういう気分ではない。急にお客さんを取る。しかも相手が知り合い。もう、お店感覚でお風呂に入る気持ちになれないのだ。
あくまでも普段の生活の中でのお風呂。だから、髪を洗いたいのだ。
「髪は別に良いけど、あくまでも俺は客だからな。普段のサービスはしてもらうぞ」
「えー……」
絶望。旦那さんにあれをしなければならないのか。
密着洗体と言われるあれは、経験を積んだ今でも恥ずかしいものだった。エッチよりも恥ずかしい。それを、旦那さんにするのか。ああ、もはや悔しい。
「ほら、入るぞ」
「ああー……」
私は死んだ魚のような目をしていることだろう。旦那さんに押されるまま、脱衣所へと入っていく。
私が立ち尽くしていると、旦那さんは瞬時に服を脱ぎ捨てる。おちんちんを見せつけるようにこちらへと向ける。ムカつく、謎のドヤ顔。
そして、今度は私を脱がそうとしてくる。
「もう! 自分で脱ぎますから!」
「よいではないかよいではないか」
馬鹿だ、この人。当然帯回しというものにはならず、普通に服を脱がされていく。
「あっ」
素っ裸になると、私は脱がされた勢いで尻餅をついた。見上げる位置におちんちんがある……。
「ほら、大丈夫か」
「ん……」
あなたのせいで転んだんですけど。でも差し伸べてくれる手を払うことも出来ない。引っ張られると、そのまま私は旦那さんと肌が触れ合ってしまう。
大きな胸、少し汗臭い。
「あ、勃ってきた」
「……アホぉ!」
そんなもの、当てられてる身からすれば言われなくてもわかるわ!
「っていうか、私にこすりつけたから勃ったんでしょうが!」
「お前の肌綺麗だなぁ。全身を性器として使えるぞ」
「最低だこの人!」
私は逃げるように浴場へと向かう。ああもうイヤだイヤだ! たまにドキッとすることも含めてイヤだ!
そのまま風呂椅子に座り、私は髪を洗い始めた。あわよくばこのまま自分だけを洗って出る! エッチすることは仕方ないことかもしれないけど、お風呂くらい普通に入りたい! のだが……。
「終わったら洗ってくれよ」
やっぱり許してくれそうにない。チラッと隣を見ると、旦那さんはこっちをじっくりと眺めていらっしゃる。
目が合う。逸らす。私は髪を洗うことに集中した。
「おら、流してやるよ」
めっちゃ急かされてる……。旦那さんはシャワーを持ち、私のシャンプーを流していく。
なんかペットにでもなった気分。あ、またおちんちんを体にこすりつけてる。この人は……。
「よしっ、これで良いな。じゃあ頼むわ」
「……ちょっと待って。髪を……」
私は濡れた髪をタオルで巻いていく。やっぱりいつもと違うから、どうも変な感じがする。
そして、私は旦那さんの後ろに立った。いよいよ、旦那さんの洗体である。
「ほれ」
「……はい」
私はスポンジを泡立てる。そしてその泡を自分の体につけて、旦那さんの背中に抱き着いた。
「もう乳首を立たせてやんの」
「うるさい!」
もうイヤ。私はやけくそになって体を密着させる。
体温の高い男の人の背中。そこに乳首がこすれると、無条件に感じてしまうのは仕方のないことだ。
「やぁん! もぉう!」
「はっはっは!」
私は喘ぎ声を怒りで誤魔化す。しかし、旦那さんはそれが楽しいらしい。
旦那さんは私の右手を持った。そして、その手を誘導し、熱い棒を握らせる。当然、あれである。
「んあっ――馬鹿ぁ! アホぉ!」
「そこも丁寧に洗ってくれよ。はっはっは!」
私はやけくそになったまま、旦那さんのおちんちんを手でこする。……大きい。
肩越しに旦那さんのおちんちんを覗き込む。さっきは当てられただけだから気付かなかったけれど、それは今までで一番大きなものだった。
「こんなの入んない……」
「ちゃんと入るよ。名人のだって入っただろ?」
「小石さんのより大きいですよ……」
私の小さな手では指で握り切れない。そんな太さのものが、私のおまんこに入るわけがない。
私はドキドキしていた。これは恐怖心によるものか、あるいは興奮しているのか。自分ではわからない。
「前いこう」
「……はいはい」
私は旦那さんの顔を見ずに前方へ移動する。目線を下にしていたものだから、当然おちんちんとは目が合う(無いけど)わけで。
「でっか……。無理だ……」
「ほら、まだ洗体中だろう。本番は後の楽しみだからな、はっはっは!」
その言い方じゃあ、私がこの大きさに期待してるみたいじゃないか。違う、断じて違う!
旦那さんに前から抱き着く。そのおちんちんが私の股に当たる。心臓のバクバクがさらに大きくなる。
「あはぁ……ふあっ……」
「おお……良いぞ」
そのまま体をこすりつける。そういえば泡を足してない。ほとんど洗浄の効果が無いまま、私は体をこすりつけていた。
体中が熱くなっている。旦那さんの熱が伝導したのか、あるいは私自身が熱くなっているのか。わからない。
「はぁ……、はぁ……」
「随分燃え上がってきたな、葉奈子のエロい体」
「違う……、あぁ……」
熱い。顔も体も全部。本当に燃え上がってるみたい。
私のおまんこが旦那さんのおちんちんに接触した時、ぬるっとした液が出たのが感じられた。もう、私は外だけじゃなく中までびしょびしょに濡れているのだ。
「もういいぞ」
旦那さんは自身の体と私の体両方にシャワーを浴びせる。私ったら、ボーっとしちゃってて、ただそのシャワーのお湯が涼しく感じて気持ち良かった。
私は床に腰を下ろした。
「そのままさ、咥えてくれ」
「咥える……」
旦那さんは対象を指さす。当然、おちんちんだ。
「私……やったことない」
「ありゃ? ろくさんも名人もフェラはさせなかったのか」
「頼まれたことはありますけど、やったことないって言ったら、じゃあいいやって。二人とも、私の体をいじるほうが好きだから」
私が何かするより、私に何かするほうが好きなのがあの二人だった。咥えて、って言われたことはあるけれど、実際に咥えたことはまだ無かった。
「そうかそうか。じゃあ初体験だな」
「……やり方わかんない」
「普段どうやってチンポが気持ち良くなっているのかを考えればわかるよ」
どうやって気持ち良くなっているのか、なんて……。締め付け? ピストン? 私にあるものじゃないからよくわからない。
私は旦那さんのおちんちんを掴んだ。こんなまじまじと見るのは初めて。赤黒くて血管が浮いている。ほくろまである。こんなところにもあるものなんだ。
「ほら、咥えてみ」
私は言われるがままに咥えた。気持ち悪いとか、怖いとかいう気持ちが遠くに行っている。好奇心がそれらを全て上回ったのだ。
ただぱくっと咥えて、旦那さんの顔を見る。旦那さんは本当に楽しそう。
「それで動くんだ」
「ふい」
私は咥えたまま、ちょっと動いてみた。歯が当たったら痛いかな、って思って精一杯隠す。
動きやすいように唾液をおちんちんに纏わせる。そのままチュパチュパってアイスを溶かすときみたいな舌の動きも加えた。
「……お前、本当に初めてか?」
私は咥えたまま、小さく首を縦に振って肯定した。
「なかなか良いぞ。そのまま、まんこの中に入れた時みたいに上下に往復するんだ」
言われるままにする。唇の裏の部分が一番広いから、唇と尖らせて、その部分でおちんちんをこする動きをする。
合ってるかな、って思って旦那さんの顔を見ると、見るからに気持ち良さそうな顔をしていた。
「そうそう……良いぞ。舌も使って」
その動きのまま、舌でおちんちんに触れる。こうやったら良いかな、って行為を私は夢中で探していた。これも好奇心の賜物である。
舌でぺろぺろしていると、旦那さんのおちんちんから何か出ていることに気付いた。ひょっとしてイッちゃったのかと思って旦那さんを見たが、そういう感じでは無さそうだった。
「どうした?」
「ふぁんかへへまふ」
「出てる? ああ、先走りだろ。カウパーってやつ。その中にも精子がいるんだぞ」
へー。――って精子も入ってるんだ。ちょっとそれは抵抗あるなぁ。
でも私はそのまま続けた。だって、旦那さんが見たこと無い顔をしていたから。
「良いぞ……、あぁ……」
「ん……はむ……」
私は旦那さんの膝に手を置き、口の動きのスピードを上げる。
なんだろう、私はものすごいことをしているはずなのに、全然抵抗が無い。
何でだろうって思ってたら、一つ理由が見つかった。私は今、初めて旦那さんに対してちゃんと攻撃している感じがするのだ。
「あぁ……」
気持ち良さそうな声が漏れる。旦那さんが必死っぽい。そんなの初めてだ。
逆に私は妙に落ち着いてきていた。旦那さんを押しているという、ちょっとした快感。
ふと、視界の中にあるはずの無いものがあることに気付く。見覚えのある袋。何でこんなところにあれが。まさか……なんて思う。
「もっと、スピードを上げてくれ……」
私はピストンを速くする。ちょっと顎が辛くなってきたけど、まだまだ好奇心が勝っている。このまま攻撃を続けて――。
ん? その先には何があるんだ? 私はすっかり失念していた。
「ああっ……、イクぞ! ほら、口の中に!!」
「――んっ!!!????」
瞬間、旦那さんは私の頭を抑え、おちんちんを喉の奥へと突き出す。喉には熱くてドロドロの液体。精子だ。
旦那さんは私の喉に射精した。私はどうに受け入れられず、旦那さんの手が弱まると、すぐにおちんちんから口を離した。
「げほっ! げぇっ!」
「はぁ……、ふぅ……。何だ、飲んでくれないのか」
飲めるか! 私は思いっきり旦那さんを睨みつける。もうすっかり現実に戻った感じである。
口の中に精子が入ってくる。何て気持ち悪いんだ。私はシャワーのお湯で口をゆすぐ。うわぁ、こびりついたりしたらどうしよう。
「……酷い! 口の中で出すなんて!」
「はっはっは! フェラの後は飲むもんだ。それが常識」
そんな常識知らない。結局、私は旦那さんに勝つことは出来ないのか。
「何が常識なんだか。もう終わりでしょう? さっさと上がりますよ」
私は改めて自分の体を流す。口の周りも良く洗わないと。
すると、旦那さんが私の後ろに立った。私は警戒して振り返るが、それは何の意味も無い行動になる。
旦那さんはスッと私の脚と椅子の間に右手を入れる。そのまま上げると、私は後ろ向きに倒れ掛かる。それを旦那さんは左手で支える。
結果、私はお姫様抱っこをされていた。結構憧れてたシチュエーションなのに、相手がエロ親父で、二人とも素っ裸とは。
でも、私はドキドキした。当然、憧れのことをされたからのものではない。旦那さんの目がエロかったことと、私を支える手にさっきの袋が挟まってることが分かったからだ。
四角い袋に円状のものが入っている。旦那さんが風呂場に持ち込んだのはコンドームだった。
3話 魅惑の一夜6
私はそのまま運ばれていく。
「離してください! いやっ!」
旦那さんはヤル気満々だった。怖いぐらいがっついている。
私としては、お風呂場で犯されるのは不本意だった。だから、当然抵抗する。
「あまり変な声を出すな。勘違いされるだろうが」
「勘違いって――」
ん? とここで初めてあることに気付いた。
ここ、旅館さくらの大浴場は露天風呂である。つまり、外である。つまり、あまり大声を出すとこの行為を外にアピールすることになる。
「レイプと誤解されたら困るだろう。俺はちゃんと金払ってるんだから」
「……こんなところで、やめてください。外に声、聞こえちゃうじゃないですかっ」
当然、空の下でエッチするなんて初めてだ。まあ、普段風呂場でしていることを考えると、今更って感じでもある。でも本番となるとやっぱり話が違うと思う。
「俺は青姦が好きなんだよ。まあ、普通にしてたら大丈夫だって。周りだってこういう店ばっかりなんだから、レイプっぽい声さえ出さなきゃ問題ないんだ」
「旦那さんとしたら、そこが問題なんですか……」
「そりゃそうだよ。むしろ、お前の気持ち良さそうな声を外に聞かせたいくらいだ」
「変態だぁ……」
私は浴槽の縁の木枠に座らされる。左側に落ちるとお風呂に入ってしまう状態で、旦那さんは右脚がお湯に浸かっていた。
そのまま仰向けにされると、そこからは小さく空が見えた。私の視界には空、竹垣、お風呂場の屋根、そして旦那さんが映っている。
旦那さんは手早く袋を開け、コンドームを取り出した。私は無抵抗でそれを眺めている。
「これを用意するのが俺の優しさかな」
「……馬鹿」
確かに意外かもしれない。旦那さんは、“本能のまま”ってタイプに見えるから。
しかし、別に優しいからってわけじゃないだろう。だって、私が妊娠したらいろんな部分で困るのは旦那さんだ。
「入れるぞ」
旦那さんは瞬時にコンドームを取りつけると、私の両脚を持ち上げ、おまんこにおちんちんを接触させた。もう有無を言わせずって状況だった。嫌がる隙も無い。
「あ、はい――んっ」
返事を待たずに、旦那さんのおちんちんが私の中に入ってきた。今までで一番大きなおちんちん。私の中は徐々に広げられているのだ。
「あー、良いな、これは」
「大きっ――あぁんっ」
私の中は旦那さんでいっぱいになる。こんなに大きなものでも問題なく入るようになっちゃってる。まさか、旦那さんは自分のものを入れるために、私の中を広げようとしていたのだったりして。
「大きいだろう。でも、お前のは簡単にこれを咥えちまったぞ」
「うるさい! んあっ――」
私が文句を言うと、旦那さんはおちんちんをピストンする。卑怯だ。
両脚を持たれたまま、旦那さんは腰を突き出してくる。その度に、大きなおちんちんが私の奥を刺激する。
ああ、旦那さんとセックスしてる。あのスケベでセクハラ放題の旦那さんのおちんちんを、私のおまんこは咥えちゃってる。
気持ちがぐるぐるする。やってはいけないことをしている、ということに舞い上がっている自分がどこかに居るのだ。
「やばいなこれ。おい、お前のまんこは名器だぞ!」
「変なこと言うなぁ! あぁん!」
「話に聞いていた以上だ! ああー、良いぞ!」
「あひゃ! あぁ!」
旦那さんの言うことはすべて否定してやりたい。でも、私の舌はすでに回りが悪くなっていた。
滅茶苦茶気持ち良い。全身がしびれて、私は快感に夢中になっていた。
さっきからの興奮の集大成が近づいてくる感じ。悔しいけど、本当に気持ち良い。
「らめっ! ひゃあん!」
「吸いつく! あっつい! 可愛いぞ葉奈子!」
可愛いなんて言っちゃって。それが私を興奮させるためだって、私はわかってるんだから。
でも、体は旦那さんの思惑通りに、言葉を受け入れる。些細なことでも快感に持っていきたがっているみたいに。
私は旦那さんの手を取った。すると、旦那さんは体を前へ傾けてくる。私は、今度は旦那さんの背中へ手を回し、体を引き寄せて唇を求めた。
旦那さんは何だかんだでイケメンだから、キスも楽しい。ちゅっちゅちゅっちゅしてみた。
「ぷはぁ、んっ、んっー! はぁ、あひゃあ」
「はぁ……はぁ……、やっぱりお前って……」
「ふぇ?」
「いや――そろそろイクぞ!」
「ひゃい――あっ! あぁん!」
旦那さんは体を起こし、動きが加速させる。私は旦那さんと恋人つなぎし、身を任せた。
「あー……!」
「あぁぁん!!」
旦那さんの体が痙攣する。イッてるときの旦那さんの顔、一番良いかも。真面目なイケメンに見える。
私ももう少しでイキそうだった。おちんちんがビクッとする度に、私の体にも快感が走る。
「ああー……、久しぶりだわ、こんなの。滅茶苦茶出てる」
「ひゃ、やぶれちゃったりひないですよね……」
もちろん、コンドームのことである。精子が出過ぎて破れるようなことがあるなら、旦那さんは破りそうな気がするのだ。
「そりゃあ……ってお前、凄い顔してるな?」
「ふぇ?」
「凄いエロい顔してる。……恐ろしいな、お前」
どんな顔をしているのか、私には分からない。ただ、旦那さんはそんな私の顔を気に入っているようで、言ってすぐにキスしてくる。
「んっ」
繋がったままキスをする。舌を入れて、唾を交換するディープなキス。あんなに嫌だった旦那さんとの行為が、今は快感そのものだった。
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