【エロ小説】旅館さくらの葉奈子ちゃん3話②【風俗】

官能小説

前話

3話 魅惑の一夜3

 目覚めると、隣には男の人が寝ていた。

「くがー」

 酷いいびき。もう結構な歳だし、仕方ないことなのだろうか。
 いや、歳って関係あるのか。ただおじさんはいびきがうるさいという先入観があるだけで、年齢は無関係かもしれない。
 ただ、今ろくさんという50過ぎのおじさんのいびきがうるさいということを事実として存在している。それは間違いないことだった。

「決して可愛いとは言えない寝顔……」

 寝顔は可愛いが相場だと思うけど、これは嘘でも言えそうにない。気持ち良さそうとは思う。
 ちなみに、当たり前だけど事後です。昨日から今日にかけ、お泊りのご利用なのでした。

「三回かぁ……」

 私はゴミ箱の中にあるティッシュのうち、大きめに丸めてあるものを数えた。それすなわちコンドームを取り込んでいるティッシュの数であり、昨日エッチした回数だった。

 ろくさんとのエッチはいつも通りだった。ただ昼以上に時間があり、回数を増やしても大丈夫ですよ、と言ったらいつもよりも一回多くエッチした。
 ろくさん、最後はちょっとイキ辛そうだった。歳だろうか(失礼)。

 男の人の隣で目覚めるって生まれて初めてのことだ。お父さんの居ない私にとっては、幼少からそんな記憶が無い。
 いつものような昼間の行為だと、すぐに服を着て現実の生活に戻るものだから、こうやって素っ裸のまま目覚めると不思議な気持ち。
 何だか、普段よりもエッチしたことが現実のものとして強く残っているのだ。

「シャワー浴びに行こ……」

 エッチしてそのまま寝たから、少し体が気持ち悪い。私はろくさんを置き去りにして、シャワーを浴びに行くことにした。

「はぁ……」

 いつもとは違う感じ。それは自分一人でエッチした後の体を洗っているからだろう。いや、そういうことが今まで無かったわけではないけれど、今は朝だからとか、そういう部分で違うって感覚が強いのだと思う。
 私はスポンジで体を洗っていく。私の体は、ろくさんの唾液がいろんなところに付いているはず。それを丁寧に洗い流していく。

 決してろくさんが悪いわけではない。お金を貰ってエッチなことをすることがちょっと怖くなってるだけ。普通のエッチをしたことが無いということに落ち着かないだけ。
 私は体をシャワーで流す。舐められた場所は丁寧に洗い流していく。胸とか、おまんことか。

 ふと、私は手がそこに触れたときに手を止めた。昨日から今日にかけて、ろくさんのおちんちんが入っていた場所。
 私は指をそこに入れる。一番長い中指で、届く範囲まで指を侵入する。
 指一本でも狭い。そこに、ろくさんのならまだしも、小石さんの大きなおちんちんも入ったことがある。

「んっ……」

 動かしていくと、すぐに動きやすいように私の中は濡れてくる。私はそのままおちんちんを入れられてるときみたいなピストン運動をする。昨日の復習みたい。

「んあっ……」

 何やってるんだろう、私。ただの興味本位が、これじゃあ一人エッチじゃないか。寝る前にしたばかりだというのに、また気持ち良くなろうとしているのだろうか。
 でも、あんまり気持ち良くない。一人ってこんなものなのだろうか。私は指を抜く。

 そして、ここなら気持ち良いだろうと思って、クリトリスを触り始めた。

「あっ……んっ……」

 うん、ここは気持ち良い。人差し指の第一関節辺りをすりすりと柔らかくこすりつけると、私の体はびくっと反応する。
 あまりしたことのかった一人エッチ。気持ち良いにも慣れてきたからか、以前一人エッチして感じた「気持ち良くなるのが怖い」というのは無くなり、ただただ気持ち良いみたい。

 これじゃあ本当に痴女だ。お風呂場で一人エッチを続ける私。
 昨日とはまた別の快感が私に訪れる。気持ち良さは蓄積して――。

「ふんふんふーん♪」
「きゃー!!」

 突然、鼻歌が聴こえる。私は思わず悲鳴を出した。

「ん? なんだ、葉奈子か」
「旦那さん? ――って、入って来ないでくださいよ!」

 旦那さんは隠すことなくそれを露わにしている。ちょっと黒い感じのおちんちん。ろくさんや小石さんのそれと比べて、ダークヒーローを思い浮かばせる感じ。

「朝風呂は俺の日課だ。ってそんなに見るなよ、恥ずかしいだろう?」

 そう言ってにやつく。全然恥ずかしがってないじゃないか。

「見てません!」
「まあいいさ。ほれ、体でも洗ってやろうか?」
「結構です! ってか見ないでください!」
「俺のは見たくせに……」

 見たんじゃない、見えたのだ。顔の次に目立つ場所なんだから仕方ないじゃないか。
 旦那さんはさっと体を洗い流した後、すぐにお湯に浸かる。私は体を隠しながら、その様子を眺めていた。

「そんなに隠さないでもいいだろう。お前ももう見られ慣れてるだろ」
「慣れてません!」
「ほら、せっかくだから一緒に入ろうぜ。もうお前も流し終わっただろ」
「……」

 一緒にお風呂って。さすがに嫌なんだけど。

「たまにはお兄さんにサービスしてみせろ。無理やり入れるぞ」

 何て言うものだから、私は逆らわないことにした。洗った髪を束ねると、体を隠しながらお風呂へと向かった。もちろん、旦那さんとは距離を取る。

「お前の乳は隠しやすくて良いな! はっはっは!」
「やかましい」

 この乳で興奮する人だって居るんだから。フェロモン出まくりなんだから。

「昨晩はどうだった?」
「言わない。ご想像通りですよ」
「ふーん、しっかし、ろくさんがこんなにハマるとはなぁ」

 そう言って、旦那さんは首くらいまで浸かる。もっとエッチな目で見られるのかと思ってたけど、そんなに私の体をじろじろと見ることはしないようだ。

「旦那さんの策略通りなんじゃないんですか?」
「策略? 俺はろくさんや名人が来店回数までコントロール出来ないさ。思いのほか、お前は気に入られたみたいだな」
「気に入られた、ですか」

 お二人とも私のことを気に入ってくれているのは確か。ただ旦那さんはそういうことも計算づくなのかと思っていた。

「顔と意外性で稼げると思ってたが、常連がここまでのリピーターになるまでは想定できん。ましてや、百戦錬磨の名人が骨抜きにされてるんだから、お前も相当なもんだな。結構驚いてる」
「へぇ……」

 旦那さんのとって、私は想像以上の人気らしい。ちょっとした優越感。

「いずれは新規客も取ることになると思ってたが、その必要もないかもしれん。今まで通り常連だけならお前の負担も少ないだろう。あと何人か選んだら、その相手だけでも十分な稼ぎを得られる。これでしばらく安泰だな」
「……私の負担とか、考えてくれてるんですね」
「当たり前だろう? お前が居なくなったら、俺らは困る。お前はうちに必要な人間だからな」

 必要な人間。何だろう、今ドキッとした。

「必要?」
「そう。お前に出て行かれては困るからな」

 旦那さんは気取った顔をする。またちょっとドキッ。
 そうやって油断していると、旦那さんはすぐに触れることの出来る距離にまで来ていた。やはり、女ったらしである。

「お、女将さんは、染まり切らないうちに堅気に戻ったほうがいいって言ってくれましたけど」
「言ったってお前、あいつだって困るぞ。看板娘が居なくなると経営破綻だ。それに、お前のことを可愛がってるし、あいつも寂しがるぞ」

 そっと背中へ手を回される。手慣れてるなぁ。

 私が居なくなると女将さんは困る。経営的には私がこの仕事を続けたほうがいい。
 でも、私を心配して、こういう仕事はやめたほうがいいって言ってくれるのも女将さん。自分と同じ仕事だから、女将さんは心配してくれるのだろう。
 私が居ても居なくても、結局女将さんは悲しそうにするのだろうか。難しいな。

「将来のこととかもあるし、私もずっとここに居るわけにはいかないかなって思ってたんですけど――」
「将来? そんなもん金さえ稼いじまえば何の問題も無いぞ。ここで出会う男は金持ちばかりだし、いざって時にはそいつらに頼ればずっと楽に生きていけるさ」
「いやいや、ろくさんや小石さんをそんな目で見るわけには――」
「あの二人の一番の魅力は金だろうが。そうだ、お前はエロいことするの別に嫌じゃないんだろう? それなら出て行く理由なんてないだろう」

 いつの間にか肩を抱かれている。旦那さんに口で勝てそうにない。ああ、何かまた旦那さんに丸め込まれてる感じ。
 楽に生きることを覚えて普通の仕事が出来ないことが問題のはずだった。しかし、そのまま楽に生き続けられることが出来る、と言われてしまうと、もうこのままでも問題ないことになってしまう。……ダメ人間になりそう。

「俺は、お前にとってこの仕事が天職なんじゃないかと思ってるぞ」
「このお仕事が天職ってのはどうかと思いますけど……」
「何言ってんだ。男にとっては必要な仕事で、誰かはやらなきゃならない仕事だ。金のために嫌々やる奴が多い中、嫌じゃないってだけで向いてる」

 旦那さんは私の腕をさする。

「何も考えずに、ここで楽して稼げ。気持ち良くて稼げる、なんてなかなかないんだからなっ!」
「きゃっ!」

 最後はその手が私の胸をまさぐる。全く油断ならない。

「やっぱり若い肌は違うなぁ。楽しみだ」
「もう! セクハラばっかし!」

 そう言って旦那さんはお風呂から出て行く。もちろん隠さずに丸出しで。
 ああいう緩急で女の人をいっぱい騙してきたんだろうな。それは女将さんも当てはまるかもしれない。

 ……ん? 何が楽しみなんだろう。私には見当がつかなかった。

3話 魅惑の一夜4

「実家?」

 次の日、突然女将さんから切り出された。

「ええ。うちの母さんが入院するって話で。別に大したことないみたいなんだけど」
「いつ帰ってくるんですか?」
「明日には帰ってくるわ。だから、今晩のご飯だけ頼めるかしら」

 女将さんの不在。私にとっては初めてのことで不安だけど、どうやら旅館もお休みにするらしい。だから私と旦那さん、二人の晩御飯さえ作れば事足りるようだ。
 お母さんと二人暮らしの時から、家事は慣れている。もちろん、料理だって毎日していたから、そのくらいはお茶の子さいさいだった。

「もちろん了解です!」
「じゃあお願いね」

 そう言って立ち去ろうとする女将さんだったが、ふと足が止まる。そうして振り返ったその顔は、どこか渋いものだった。

「口説かれても相手しちゃ駄目よ」
「……もちろんです!」

 旦那さんの不貞を心配したのだろうか。いや、私の身の安全を心配したのだろう。不貞の塊である旦那さんの心配など不要なのだ。
 出て行く女将さんを、私は手を振って見送る。

 旦那さんと二人きり、か。初めてのことだから不安でいっぱいだ。セクハラされ放題だったらどうしよう。いや、そうなるともはやレイプだ。旦那さんはさすがにそこまでのことをする人では無い。
 でも警戒はしておこう。上手く丸め込まれる、とかありがちだし。鍵はしっかりとかけておかなければならない。

 女将さんの作った昼食を食べ終わると、私は旅館の掃除に勤しんだ。女将さんが居ないから私を止める人は居ない。この機会にいっぱい掃除しようと、私は気合を入れた。

 月の間、花の間、風の間、と掃除していく。調理場やカウンターにも手を行き届かせると、最後にお風呂の掃除へと向かう。
 すると、そこには旦那さんの姿があった。珍しく真面目に掃除している。

「お疲れ様でーす。ご飯食べました?」
「食った食った。風呂は俺がやるからいいぞ」
「了解でーす」

 私は背を向ける。旦那さんったら、今日は営業しないっていうのにお風呂を溜めていた。
 旦那さんはお風呂好き。お客を入れない今日にまで自分のために溜めちゃうんだから、公私混同もいいとこである。

 でも、せっかく溜めるのなら私も後で入ろう。普段の生活で露天風呂を使うということは、私にも魅力的なものだった。

 女将さんの居ない日が滞りなく進んでいく。私は晩御飯を準備し、旦那さんとテーブルを囲んだ。

「お、旨いじゃないか」
「普段からやってましたから」

 会心のドヤ顔。旦那さんは黙々と食べ進めていく。
 普段から、旦那さんは晩御飯を食べているときに喋らない。私の前で女将さんと話さないというところがあって、晩御飯の時は三人だから喋らないのかと思っていたのだけれど、ただ食事中の口数が少ないだけらしい。

 旦那さんの食べっぷりは男らしい。がつがつ、という感じ。

「そうだ、今日は夜の客が入るから」
「……はい?」

 何言ってるんだこの人は。食器の中身がすっからかんになると同時に、旦那さんは素っ頓狂なことを言い出した。

「今日はお休みじゃないですか」
「予約があれば開ける。客が入って、お前が指名されれば、一部開放だってある。そんなもんだ」
「えー……」

 せっかく後はゆっくり過ごすだけって時に……。しかも、私はこの前やっと夜にお客さんを取ったばかりだ。そんな急な仕事は断ってほしい。

「どっちですか? 私、今日は無理でーす、って断りの電話を入れるので」
「そろそろ新しい客を入れるって言ってただろう? その人」
「はいぃ!?」

 まさかの新しいお客さん。しかも夜って、旦那さんは正気なのか。

「嫌です! 新しいお客さんとの初めてが夜、だなんて会話が持ちません!」
「安心しろ。そこは全く問題が無い」
「せめてお昼に――って何で問題無いんですか?」

 ニヤッとする旦那さん。嫌な予感しかしない。

「新しい客は……俺だ」

 旦那さんは自らを親指で指し示す。私はボーっと旦那さんを眺めた後、ゆっくりと立ち上がった。

「……女将さんに電話しよう」

 そう言いながら私はホッとしていた。てっきりお客さんが来るのかと思ってたら、単に旦那さんが私とエッチしたいから言った冗談なのだ。
 あわよくば本当にエッチすることを狙ってそうだけど、そうはいかない。女将さんに叱ってもらおう。

「待て待て。電話したってあいつは今日は帰って来れないぞ」
「じゃあ警察ですかね。襲われそうなんですーって」
「警察だけはマジでやめろ。それは本当やめとけ」

 それは冗談でも言ってはならないことらしい。確かに、私も色々と問題のあることをしているわけだし、無傷じゃ済まない。旦那さんを睨みながらも、私は頷く。

「じゃあ、そんな冗談はやめてください。怖いので」
「何が怖いもんか。俺だぞ? ろくさんや名人よりもよっぽど一緒に居る仲だし、お互いの裸だって見てるんだから、何の問題があるんだ」
「問題しかないです! 何で私が旦那さんとエッチしなきゃなんないんですか!」

 そりゃあ一緒に暮らしているけれど、だから大丈夫、何てことは一切ない。むしろ、旦那さんは最もエッチしたくない相手だ。

「ほら、ちゃんと優しくするからさ」
「さーて、後片付けして部屋に戻ろう」
「待て待て。ちゃんと代金だって払うんだから良いだろ?」
「いーや!」

 私は食器をもって立ち上がる。すると、旦那さんは私の肩を両手でつかむ。

「客を拒否するな。お前のことを考えての客選びとしては、ベストだろう?」
「どこがですか! ってか、お客さんだとしても、そのお金は旅館のものでしょ!?」
「ちゃんと俺が小遣いとしてもらってる分で払うって。旅館への取り分が要らないのに代金通り払う。ということは、お前の取り分は普段よりも多いんだぞ」

 お昼が5万円、夜だと8万円。旅館の取り分は、お昼が2、夜が3となる。
 当然、夜だから8万円が私に入るわけだ。結構な額だけど、本当にお小遣いから出す気なのだろうか。

「それに、相手が俺なんだぞ。何なら俺が金貰っても良いくらいだ」
「そんな自信、知りません」
「ろくさんや名人よりも、俺のほうがカッコイイだろう?」

 それは……確かにその通りだと思う。旦那さんは町で見かけたらおっとなるほどには男前な人だ。そう考えると、私にとってはかなり条件が良いのかもしれない。
 でも、相手が旦那さんだぞ。エッチな人で……ってそれはろくさんや小石さんも一緒か。えっと――。

「旦那さんには女将さんという綺麗な奥さんが居るじゃないですか。私、女将さんを裏切れません!」
「あいつが今更そんなことを気にするわけがないだろう。俺もあいつも、色んな相手と寝たんだから」

 そうだ、女将さんも私と同じお仕事をしてたんだ。それにこんなドスケベな旦那さんを持つと、浮気という概念すら無いのかもしれない。
 だんだんと追い詰められていく。ああ、これはきっと駄目なパターンだ。

「……単純に、私が旦那さんとエッチしたくないんです!」

 負けてはならない。このまま理由を付けて断っていくと、最終的に旦那さんの思い通りになるのは間違いない。ここは、もう感情的に断るしかないのだ。
 しかし、旦那さんはそんな私のあごを持った。私は食器を持ったままなので、抵抗することが出来ない。

「本当に、お前は俺とやりたくないのか?」
「き、決まってるじゃないですか!」
「嘘だ。本当は50過ぎの風俗通いのおっさんたちより、俺のような若い男とやりたいんだろう? 普通の女ならそうだ」
「だ、旦那さんだってもう40過ぎじゃないですか! そんなに変わらないでしょ!」
「本当にそう思ってるか?」

 私は自分の顔が赤くなっているのがわかる。旦那さんったら、私の目を真っすぐ見ながら、顔を近づけてくるのだ。
 結構整った顔立ち。40過ぎにしては若く見えるし、カッコイイ。しかも、50過ぎのおじさんとエッチする時よりもお金がもらえる。
 何か目が回ってきた。あれ? 私は何を嫌がっているの? 何だかよくわからない。

「……決まりだな」
「……え?」

 旦那さんはそう言って、私の服の首元に手を突っ込む。危うく食器を落としそうになる私。
 しかし、旦那さんは私の体を触ろうとしたわけではないらしい。すぐに手を抜いて、部屋を去っていった。

「な、何なの……」

 食器を持っていってから、改めて服の中を確認する。すると、そこにはお金が入っていた。

 8万円。ああ、私は了承したんだ。それをギュッと握りしめたまま、私は一度自分の部屋に戻った。

コメント

タイトルとURLをコピーしました